体調不良を理由に9月から自宅での療養を続けている新潟市の中原八一市長。11月19日に開かれた議会運営委員会で、12月市議会に出席する見通しであることが明らかとなった。中原市長は9月市議会を全休し、市議からは「議論が深まらなかった」との声もあがる中、来年度予算の大筋を決める12月市議会での活発な議論が期待される。
自宅での療養続く中原市長 9月市議会は全休
12月市議会の日程などを決める、新潟市議会の議会運営委員会が19日に開かれた。
この冒頭で、新潟市の渡辺東一財務部長は「中原市長は9月4日以降、自宅での療養を続けながら執務をしておられますが、先週から体調を見ながら登庁をし、短時間の執務を行っております」と中原八一市長の現状について説明した。
この記事の画像(5枚)9月4日、フランスのナント市に向かう直前に東京都内で体調を崩した中原市長。以降、メールや電話で職員に指示を出して執務を行いながら、自宅で療養を続けていた。
休養・加療が必要との医師の診断があり、全休した9月市議会は、野島副市長が代理で答弁を行っていた。
この状況に対して、市議からは「市長自身の政治判断や心の中のことまで、ほかの副市長はじめ、各担当部長が答えるわけにはいかないので、なかなか議論が深まらなかったところはある(無所属の会・中山均市議)」「現時点の市の対応しか答弁としていただけず、5年・10年先を見越して、どういった対応をとっていくのかというのは、やはり市長でないと答弁いただけない部分だと感じた(新風にいがた・小柳聡市議)」など、市長不在の議会で十分な議論ができなかったという声も上がっていた。
「徐々に回復している」 12月市議会は出席へ
10月11日には、療養継続に関するコメントが出されたものの、具体的な説明がないまま、市長不在から2カ月以上が経過。
そんな中、市は中原市長の体調が徐々に回復しているとした上で「登庁頻度・時間を増やしつつ、市議会12月定例会に出席する方向で準備を進めている」と説明。
中原市長が11月3日に始まる12月市議会に出席する見通しであることを明らかにした。
この報告に市議からは「市長が12月議会に出てこられるということで安心している。来年度予算の方針が12月議会で決まるので、しっかりと決めていただいて、4月から執行できる形を期待している(翔政会・平松洋一市議)」「市として新しい事業をどういうふうに展開していくかなどを出す大事な時期だと思う。9月議会は残念だったが、市長にはしっかり体調を万全にして戻ってきてもらって、これから挽回できるように私たちも市長と議論したい(新風にいがた・小柳聡市議)」「答弁含めて、市長自身の仕事が本拠地ででき、執務を進めることができることは歓迎するべきこと(無所属の会・中山均市議)」など、中原市長の復帰を歓迎する声が聞かれた。
一方で、市民からは、市長の長期の不在により、「市政が停滞した」と不安の声も上がる中、市は「市長の判断をもらうタイミングが非常に限定的だったということはあるが、市長の判断をもらえずに仕事が停滞したことはないので、支障はなかった」とコメントしている。
また、長期間療養が必要となった市長の病状などについては、自身で説明する場を設ける方針だという。
(NST新潟総合テレビ)
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