松本京子さんが北朝鮮に拉致されたとみられる現場周辺を視察する林官房長官(手前右から3人目)ら(24日、鳥取県米子市)=共同

拉致問題の担当相を兼務する林芳正官房長官は24日、鳥取県米子市を訪れた。1977年に松本京子さん=失踪当時(29)=が北朝鮮に拉致されたとみられる被害現場周辺を視察した。

記者団に「普通の住宅街で、普通に暮らしていた京子さんが拉致に遭遇した。人ごとでない」と強調。「家族の思いを胸に刻み、解決にしっかり取り組む」とも語った。

被害者の帰国実現に向け、石破茂首相が意欲を示す金正恩(キム・ジョンウン)総書記との会談に関しては「政府の責任で最も有効な手だてを講じる」と述べるにとどめた。

拉致問題の早期解決を求める要望書を林官房長官(右)に手渡す鳥取県の平井伸治知事(24日、鳥取県米子市)=共同

視察後、鳥取県の平井伸治知事らから早期解決を求める要望書を受け取った。同席した松本さんの兄孟さんは「家族が一日でも早く古里に帰れるようにしてほしい」と要請。林氏は「長い時間がたってしまい、誠に申し訳ない」と陳謝した。

林氏は政府と県が主催する集会にも出席。拉致問題について「決して過去の歴史上の事件ではない。今なお被害者が自由を奪われ、帰国できない状態が続いている現在進行形の問題だ」とし、若い世代の啓発に力を入れると訴えた。

〔共同〕

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