上川外相は6日、OECD(経済協力開発機構)議長国として訪問したフランスに、アフリカ・アジア各国を加えた計6カ国の歴訪から帰国した。

アフリカのマダガスカル・コートジボワール・ナイジェリア、OECD閣僚理事会が開催されたフランス、そして南西アジアのスリランカ・ネパールを訪問した上川外相は6日午前、成田空港に到着した。

上川外相は、帰国に先立ち5日、ネパールの首都カトマンズからオンラインで記者団の取材に応じ、6カ国歴訪を総括。

上川外相は、「今回インド洋を、大きく弧を描き、海と陸の結節点にある国々を訪問した。法の支配に基づく、『自由で開かれたインド太平洋』=FOIPの精神を広げていくことの意味合いを実感した」と述べた。

今回の訪問国の周辺情勢をめぐっては、中国が、インド洋にも軍事的進出も強めるとともに、アフリカ諸国に対しては貿易や投資を通じて影響力を拡大している。

上川外相は、歴訪中の各国外相との会談で、「民主主義や法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性について議論した。これらを土台に、各国の持続的な発展や地域の平和と安定、さらにはグローバル課題への対応に、共に取り組んでいくことで一致した」と説明。

また、「これまでに築いてきた信頼に応え、国際社会を平和と発展に導くための“日本ならでは”の外交を展開していきたい」と強調した。

さらに、南半球を中心とする新興国・途上国など「グローバルサウス」に対する外交に関して、「グローバルサウスの国々が直面する諸課題と、細やかに向き合いつつ、多様性と包摂性、さらには連結性を重視する多角的な外交を推進していくことの重要性を認識した」と述べた。

そのうえで、「国際社会が分断と対立を深める中、グローバルサウスへの関与を深めていくことは極めて重要だ」として、「今回、アフリカ3カ国、南西アジア2カ国を訪問したことによって、力強いメッセージを発信することができたと考えている」と語った。

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