岸田文雄首相(自民党総裁)は14日、公明党の山口那津男代表と首相官邸で会談した。首相は政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正を巡る与党案の取りまとめに向け「自民党として法案化の作業を進める。その上で公明党とも相談をしたい」との考えを改めて伝達。山口氏は野党との協議の重要性を強調し、自公の溝は埋まらなかった。公明内には、自民と合意した項目については与党案として法案化し、合意に至っていない項目は自民、公明でそれぞれ法案化する「分割案」が浮上している。
これまでの自公協議では、政党から党幹部らに支出される「政策活動費」の具体的な公開方法とパーティー券購入者の公開基準額の2項目について意見が折り合わず、継続協議となっている。
山口氏は会談後、記者団に「野党の意見もうかがって幅広い合意形成を目指す努力も与党として必要だと私から申し上げた」と説明。踏み込み不足のまま与党協議が進むことへの警戒感をにじませた。野党との協議の必要性については「首相も否定しなかった」という。
山口氏はまた、自民が進める法案化作業の対象に、積み残しの2項目も含むかについて「明確ではない。直ちにその部分を法案にすることは困難だと思うので、自民の作業を見守りたい」と述べた。【野間口陽】
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