自民党派閥の裏金問題をめぐり、衆院政治倫理審査会(政倫審)は14日、裏金作りが判明した自民所属の衆院議員44人の審査を全会一致で可決した。審査会で実際に弁明を行うかどうかは議員本人の判断に委ねられているため、田中和徳審査会長名の文書で44人の意向を確認する。意向確認の締め切りは20日。
これまでは、野党の要請に応じる形で、岸田文雄首相のほか、安倍派座長の塩谷立・元文部科学相=自民を離党=ら安倍派と二階派の幹部6人が審査会に出席して弁明したが、実態解明にはつながらなかった。
今回の44人に対する審査の議決は、国会の規程に基づき、3分の1以上の野党委員の申し立てによって行われた。4月の衆院3補欠選挙で立憲民主党が全勝した結果、政倫審の野党委員が1人増え、申し立てができるようになった。
ただ、審査の議決には強制力はない。衆院と同様、野党の申し立てを全会一致で可決した参院では、29人が弁明の意向を示していない。寺田学・野党筆頭幹事は政倫審後、記者団に「『説明せよ』という国民の声に、44人がしっかりと向き合い、説明責任を果たすことを強く望みたい」と話した。(小木雄太)
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