自民党派閥の裏金事件への関与が指摘されている森喜朗元首相への再聴取について、岸田文雄首相は20日の衆院予算委員会で、「再聴取は考えていない」と述べた。4月に行った聴取では、森氏の関与を確認できなかったとする従来の主張を繰り返した。立憲民主党の野田佳彦元首相への答弁。

 森氏への聴取は、首相が4月上旬に電話で行った。首相はその内容について「森元総理の具体的な関与は確認できていない」などと説明していた。一方、森氏はこの聴取について、今月発売の月刊誌「文芸春秋」のインタビュー記事で、首相から「ご体調はいかがですか」「強いてお目にかかることはありません」などと伝えられたが、裏金作りに関する具体的な質問はなかったと証言。首相の説明との食い違いが生じていた。

 野田氏は月刊誌の記事をもとに、「ご機嫌伺いだ。調査ではない」と指摘。このままでは「政治に対する不信感をあおることになる」として、首相に再聴取をするよう迫った。首相は「雑誌報道についてコメントすることは控える」と断ったうえで、「不記載の慣行がいつから始まったかを直接、森首相にうかがった。その上で森首相の具体的な関与を確認できなかった」と改めて主張した。

 これに対し野田氏は、「(再聴取を)やらないというならしょうがない」として、森氏の国会への参考人招致を求めた。

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