万博をめぐって、大阪維新の会と公明党の対立が深まっています。

大阪府議会では、追及を強める公明党に最大会派・維新が反発。
公明党はこれまで守ってきた副議長のポストを断念する事態となっています。


20日、開かれた大阪府議会。毎年この時期に新しい議長と副議長が選ばれます。

議長は過半数を占める維新の会から、副議長は第二会派の公明党から選ばれるのが慣例となっていますが…。

【大阪維新の会 中谷恭典新議長】「副議長に(自民党)中井源樹議員を指名します」

副議長に選ばれたのは、第三会派・自民党の議員でした。


異例といえる事態の背景には、万博をめぐる維新と公明の対立があります。

2023年12月に行われた大阪府議会・万博推進特別委員会では…。

【大阪維新の会 森和臣大阪府議】「万博を成功させるために賛成しているのか、反対しているのかを聞いている」

【公明党 藤村昌隆大阪府議】「『私たちは賛成』という形で、国民の方を置き去りにしたらあかんという思いで質疑をさせてもらってる」


万博を推し進める維新と、慎重な姿勢の公明。

両者の関係は、次の衆議院選挙で、公明党の現職がいる選挙区に維新が候補者を立てると明らかにしたことで、急速に悪化しました。

万博の費用の上振れなどついて、議会やSNSで追及を強める公明に、維新からは不満の声が上がっていました。

【大阪維新の会 大阪府議団 河崎大樹幹事長】「万博に対して、足を引っ張るだけの質問や指摘なんじゃないかと感じた。府議団から、今まで通り公明に副議長の職をお任せしていいのか、という声があったのは事実」


こうした中、維新側が公明側に対し、「副議長は万博の開催時にテープカットにも立ち会う。今までのような態度では難しい」などと伝達。

公明側は、「今まで通り言うべきことは言う」と返答し、両者は決裂。

副議長の選出は、過半数を持つ維新の同意が必要なことから、公明が擁立を断念したというのです。


【公明党 大阪府議団 肥後洋一朗幹事長】「(万博への)追及をやめる、しないなら、話には相談に乗るよという趣旨、言われたわけではないが、そういうニュアンスに受け止めました。(費用が)500億円上振れしたときも大丈夫か、建設の遅れも大丈夫かと。議会で質疑質問するのが役目ですから、しっかりやるべきだと思っています」

維新、公明両党は「万博は政治的なものではない」と主張していますが、議会運営に大きく関わる「副議長」というポストにまで影響を及ぼしています。

(関西テレビ「newsランナー」2024年5月20日放送)

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