佐賀県の山口祥義知事は23日、九州新幹線西九州ルートの武雄温泉―新鳥栖の整備のあり方をめぐり、13日にあった長崎県の大石賢吾知事とJR九州の古宮洋二社長との3者会談で、両者が話し合いに国も入れるよう訴えたことについて「地元の合意の前に国に要請するのは筋違い」と否定した。

 山口知事は3者会談で「長崎はいくらかお金を出すこともあるのか」といった趣旨の話をしたと明かしたうえで、「長崎は(国ではなく)我々と向き合ったらと言ってきた」と指摘。「我々の合点のいく合意に向かうなら可能性はある」とも述べた。

 19日に佐賀県を訪れた新幹線与党検討委員会の森山裕委員長が、西九州ルートを「遅れることのないように対応したい」と述べたことには、「抑え込みみたいな形はあり得ない。地元の合意ができた時に国・与党で調整するスキームと理解している。それがないので、そうおっしゃられても」と突き放した。

 また、国土交通省と2020年から続けてきた「幅広い協議」については、「佐賀駅を通るルートしかないと、従来の考えを言うばかり」と批判し、同ルートを求める地元決起大会に国交省の担当者が出席したことも挙げて「(佐賀駅ルートの)一点詰めで来る姿勢はいささか疑問だ」と不満を漏らした。(渕沢貴子)

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