大阪府が2025年大阪・関西万博に府内の小中学生を招待する事業をめぐり、大阪府交野市の山本景市長は24日、市内13校の学校単位での参加を見送ると表明した。

 府教育庁が各校に、5月末までに参加の意思について回答するよう求めているが、市内で確認したところ、「行きたいという学校は一校もなかった」とした。

 府の吉村洋文知事は、子どもたち全員を「無料で複数回招待したい」としている。府は1回目は招待費用を負担し、2回目以降は市町村側にも負担を求める方向だ。会場への移動費は1回目から市町村側の負担となる。

 山本氏はこの日の定例会見で、学校単位で参加する場合には会場まで電車で移動するのが難しく、バスを使えば計約3千万円が必要になると費用面の課題に言及。保護者の間では、万博会場の予定地で爆発事故が起きたことへの懸念が出ているともした。

 こうした状況から、学校単位での参加を見送り、府が招待費用を負担する1回目については保護者の意思で個別に利用してもらうことを想定するという。

 山本氏は、府教育庁が各校に意向を確認していることについて、学校側が「異議を唱えにくい」と指摘。「学校に踏み絵を踏ませるような行為はいかがなものか」と述べた。(村井隼人)

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