28日の高知県内は大気の状態が非常に不安定となり猛烈な雨が降ったところもありました。大雨のピークは過ぎましたが、洪水警報が出ているところもあるほか、地盤が緩んでいる地域もあり、気象台は引き続き河川の増水や氾濫に警戒するよう呼びかけています。
西日本の太平洋側を進む前線を伴った低気圧に暖かく湿った空気が流れ込み、28日の県内は大気の状態が非常に不安定となりました。
気象庁は28日あさ5時すぎ、「高知県内で線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性がある」と発表し、警戒を呼びかけました。
(徒歩で通勤)
「長靴を履いてきたので多少ぬれるなという感じ。上司からも(線状降水帯予測の情報)受けて通勤に気を付けて余裕をもって来てというのがあったので(情報は)ありがたい」
この雨で、県内では県中部と嶺北地域で大雨警報と洪水警報が発表されました。高知地方気象台によりますと降り始めからの雨量は香美市繁藤で330ミリ、高知市で249.5ミリなどとなっていて、香美市大栃では1時間に80.5ミリの猛烈な雨を観測。香美市繁藤では1時間に75ミリ、高知市では1時間に59.5ミリの非常に激しい雨となりました。
(京面龍太郎アナウンサー)
「つい今しがたから本当に大粒の強く叩きつけるような雨が降るようになってきました。ときおり強い横風も吹きまして『まるで台風のようだ』という声も聞かれました。本当に天気が荒れていることを肌で感じます」
この雨の影響でJR土讃線は阿波池田~土佐山田駅で運転を見合わせ、JR予土線は全線で運転を見合わせています。
(京都から帰省中)
「もともと高知にいて風や雨量が多いと特急が運休になるのはよくあったので、事前に雨雲を見て4、5日前に急きょバスに変更した。慣れていないと、県外から来る人はちょっとバタバタするかもしれない」
また、空の便でも全日空とFDA合わせて3便が欠航しました。
雨雲のかたまりは時間とともに東へと移っていきます。
(リポート:坂根優菜)
「午後1時半ごろの南国市です。雨に加えて先ほどから風も強く吹いていて時折傘が持っていかれそうになりました。また、こちらの用水路ではふだんだったら堰止めの様子が見えるということですが、きょうは水位が50センチほど上がっていて今にも川が溢れそうになっています」
過去には大雨で水が溢れたこともあるこちらの用水路。地元の人は28日朝、雨の降り方を見て、農業用の堰止めを外したといいます。
(近所の人は)
「今は雨を見ても20ミリ、40ミリとかでかまんと思うたけど、早めに堰を落としてある」
香南市の物部川です。水位があがって濁流となっていて、午後3時杉には氾濫注意情報も出されました。
こちらの方はお昼ごろにこの道の先の田んぼで農作業を行っていたといいます。
「行く時はこんなになってなかった。それが今、帰ってきたらこんな水になっていた。(昼頃は)全くなかった。相当降ったからダムが放流していると思う。この水、最近こんなに出たことない」
水位が一気にあがったという証言は、他にも。
「かなり増えていますね。心配です。一気に増えてしまうので、朝10時くらいに見た感じとお昼に見た感じは全然違う。またお昼見た感じと今では全然違うし」
「犬の散歩に来ている。ふだんは通れるけど今見たら車が通れない、水が上がって。浜へでも(犬を)連れて行かんといかん、浜も波が荒いぞ」
大雨のピークは過ぎましたが、高知市・香南市・香美市には洪水警報が発表されていましたがさきほど解除されました。高知地方気象台は河川の増水や氾濫に警戒を呼びかけるとともに、低い土地の浸水、土砂災害、落雷、竜巻などの激しい突風に注意を呼びかけています。
この雨による人的被害は確認されていません。また、国道32号では大豊町高須から徳島県三好市山城町の間の26キロの区間で大雨よる土砂の流出の影響で通行止めとなっています。
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