梅雨時期や台風シーズンに多く発生し、甚大な豪雨災害を引き起こす「線状降水帯」。線状降水帯が引き起こした大きな災害は近年頻発している。
・2014年8月 広島市の土砂災害
・2015年9月 関東・東北豪雨
・2017年7月 九州北部豪雨
・2018年7月 西日本豪雨
・2020年7月 令和2年7月豪雨
過去10年でみてもこれだけ多くの災害が発生している。また発生月を見ると、7月~9月とこれからの時期に特に注意が必要なのが分かる。
「線状降水帯」とは、次々と発生する積乱雲が列をなし、長時間にわたり同じ地域に大雨が降る現象だ。2023年8月には、台風6号の影響で沖縄地方に線状降水帯が発生し、本島北部で局地的に激しい雨が長時間降り続いた。
梅雨に入り、沖縄地方では梅雨前線や湿った空気の影響で局地的に激しい雨の降る日が多くなっている。5月22日には、県内各地で大雨となり一時、糸満市や南城市など5市町で土砂災害警戒情報が発表されたほか、南城市糸数では降り始めからの
3時間雨量が274ミリに達した。
大規模な水害につながる「線状降水帯」の発生を半日から6時間前に伝えるのが「半日前予測」だが、気象庁は5月27日から新たな運用を始めている。
「線状降水帯」何が変わったのか
これまでの運用では、発表対象地域を11ブロックに分け、沖縄は「沖縄地方」として全域に発表していた。
これが5月27日からは、「沖縄本島地方」「宮古島地方」「八重山地方」「大東島地方」の4つの地域で発表されることになった。
気象庁は、今後予測技術をさらに向上させ、2029年には「市町村単位」での予測を示すことを目指している。
外間さんは、大雨の際はこの「線状降水帯の半日前予測」も含め、各種気象情報に注意を向けてほしいと呼びかける。
▽沖縄気象台外間宏信 気象情報官
「去年の台風6号でも線状降水帯が発生した事例があります。これから梅雨、台風シーズンに入っていきますので、一般住民の方々、自治体も含めて常日頃から気象情報に関心を持って、気象台から発表される警報、注意報等に留意していただければ」
「線状降水帯の半日前予測」が発表されたら、普段より大雨災害が起きる可能性が高い状態だということをしっかりと認識して、気象情報を細かくチェックしてほしい。また、自治体から発表される避難情報に注意し、必要となればすぐに避難できる準備を整えておくとより安心。自分や大切な人の命を守るためにも日頃からの防災意識を高めることが大切だ。(取材:NEWS Linkキャスター 仲田紀久子)
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