能登半島地震に伴って石川県輪島市の「朝市通り」で起きた大規模な火災について、総務省消防庁の消防研究センターは、28日開かれた国の検討会で調査結果を報告しました。
それによりますと、通りの北側の火災は、目撃証言から火の粉が飛んで燃え移る「飛び火」によって東西方向に燃え広がり、その結果、延焼面積がおよそ2倍に広がった可能性があるとしています。
また、当時は弱い南南西の風が吹いていたと推測され、風上では1時間に35メートルの速さで燃え広がったとみられるということで、阪神・淡路大震災のおよそ1.5倍にあたります。
さらに
▽古い木造の建物が密集していたことや
▽道路が倒壊した建物でふさがれたこと
▽断水で消火栓が思うように使えなかったことを火災の規模が広がった原因にあげたうえで
消火活動が行われなかった場合今回の2倍以上の面積が焼失した可能性があるとしています。
一方、出火原因については、地震で住宅の電気配線がショートした可能性があるとしたものの、付近の損傷が激しく出火までの詳しい経緯は特定できなかったということです。
消防研究センターの細川直史研究統括官は「木造密集地域で初期消火ができないと延焼リスクが大きくなることが改めてわかった。耐震化や、揺れを感知して電気を止める『感震ブレーカー』の普及、消火用水の確保などを複合的に行っていく必要がある」と話しています。
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