今月12日、松山市の松山城がある山の斜面が崩れ、ふもとの木造住宅に住む家族3人が巻き込まれて死亡した土砂崩れでは、山の頂上付近の緊急車両用の道路で、大雨による亀裂が確認されたため今月から修復工事が行われていて土砂崩れとの関連が調査されています。

この亀裂についてこれまで松山市は「大雨による亀裂の確認は去年7月が初めてで、それ以前の亀裂は経年劣化による小さいものだ」と説明してきました。

しかし、その後の市などへの取材で、6年前の2018年7月に発生した西日本豪雨の直後にも、数メートルにわたる亀裂が確認されていたことが新たに分かりました。

市によりますと、当時は樹脂で隙間を埋める修繕を行ったということですが、去年夏の亀裂と場所がほぼ同じのため、6年前の亀裂が広がったおそれもあるとしています。

松山市は「過去の工事の確認不足だったが、亀裂は軽微なもので当時も土砂災害につながるリスクはないと判断していた」としています。

土砂災害に詳しい東京農工大学の石川芳治名誉教授は「亀裂が広がったり、複数、生じたりする状態は、土砂災害のリスクの高まりを示している。修繕だけでなく、その後の状態も監視し、周辺の住民にも共有するなど災害時の避難情報に役立てるべきだった」と指摘します。

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