山形県戸沢村は、記録的な大雨で村を流れる最上川や鮭川の水があふれたほか、水路などへの排水が追いつかなくなり水があふれる「内水氾濫」も発生しました。
役場や住宅街が立ち並ぶ中心部の古口地区のほか、蔵岡地区で住宅など少なくとも300棟が浸水の被害を受けました。
役場の周辺も一時冠水し、被害の確認もできない状況も続いたということです。
こうした中で災害対応の指揮を続けている加藤文明村長がNHKの取材に応じました。
執務室では村に出ている避難指示について今後の方針を聞く県の幹部職員からの電話連絡のほか、農地などで被害が発生しているという議員からの説明を受けていました。
また、停電が続く中で気温が上がり熱中症への懸念が高まっているという消防団員からの連絡も入り、村長は庁内を慌ただしく移動しながら職員たちと停電復旧の見通しや村民に対する防災行政無線を使った暑さ対策の呼びかけなどについて話し合っていました。
加藤村長は「避難は長期にわたる可能性があり、住民に健康状態を保ってもらうことも頭の中にしっかり入れて対応していきたい」と話していました。
さらに災害対策会議では、川のそばにある地区の田んぼが崩れてくぼみができ、川の水が大量にたまりそうになっているという情報が共有されました。
加藤村長は「写真を見るかぎり広範囲になっているので、心配はしている。住民の安全を守るための対応を考えていきたい」と話していました。
加藤村長 25日の雨強まって以降の対応語る
山形県戸沢村の加藤文明村長は、25日、雨が強まってきてからの対応を語りました。
加藤村長の元には、国土交通省の河川国道事務所から、氾濫した最上川などの水位の変化について刻々と情報が入ってきたといいます。
村長は「平成30年、令和2年と過去も大きな災害があったが、8メートル56センチという最高水位の数字が頭に残っていた。今回、最高水位が10メートル50センチに達するという情報も入り、全村への避難指示を出すか迷ったが、出すことにした」などと対応を振り返りました。
そのうえで「50年に一度、100年に一度ということばがあるが、その一度が今回かもしれないということは十分認識して対策にあたりたい。避難している住民は、今、一番家に帰りたいかもしれないが、なぜいま避難が必要なのか、きちんと説明したい」と話しています。
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