気象庁によりますと9日午後8時前、神奈川県西部を震源とするマグニチュード5.3の地震があり、神奈川県の厚木市と中井町、松田町、清川村で震度5弱の強い揺れを観測しました。
また震度4を神奈川県の広い範囲や東京・多摩東部、埼玉県、山梨県の各地で観測し、震度3から1の揺れを関東甲信の各地で観測しました。
この地震で神奈川県の横須賀市と伊勢原市、それに松田町で70代から90代の男女あわせて3人が、自宅などで転倒してけがをしました。
また、交通機関にも影響が出て新幹線やJR東海道線が一部区間で一時、運転を見合わせました。
全線で運転を見合わせた小田急小田原線がすべての区間で運転を再開したのは10日午前3時50分すぎで、この影響で、神奈川県内の駅ではタクシーを待つ人たちが長い列を作りました。
東名高速道路も神奈川県と静岡県の一部区間で通行止めとなりました。
9日夜の地震が、8日、宮崎県で震度6弱の揺れを観測し南海トラフ巨大地震への注意を呼びかける臨時情報が出される中で起きたことについて、名古屋大学の山岡耕春 名誉教授は「震源が離れていることや過去の地震の傾向から南海トラフの地震とは関係がないと思われる」との見解を示しています。
また、気象庁は今後、1週間程度は今回と同じ震度5弱程度の揺れを伴う地震が発生するおそれがあるとして、注意を呼びかけています。
帰宅困難者 滞在施設で夜を明かす 神奈川 厚木
この地震の影響で長時間にわたって小田急線が運転を見合わせたため帰宅できなくなった人たちが神奈川県厚木市が開設した一時的な滞在場所で夜を明かしました。
9日夜の地震で運転を見合わせた小田急小田原線の本厚木駅前ではタクシーを待つ人たちの長い列ができ、多くの帰宅困難者が出ました。
小田急電鉄側からの要請を受けた厚木市は9日午後11時半ごろから本厚木駅からおよそ400メートルほどの場所にある「アミューあつぎ」の「あつぎ市民交流プラザ」を一時的な滞在場所として開放しました。
開放されると利用しようとする帰宅困難者が次々と到着し、受付を済ませた人から順に水や毛布を受け取っていました。
一時滞在場所の中では会議室のいすに座って休んだり横になって受け取った毛布をかけて休んだりする人の姿が見られ、多くの人がこの場所で一夜を過ごしました。
野球観戦のあと秦野の自宅へ帰宅する途中だったという家族連れは電車が止まり海老名駅から本厚木駅まで歩いてきたということで「1時間ほど歩いてきたので休む場所が見つかってホッとしました。地震があったときはグラグラと揺れてびっくりました」と話していました。
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