台風7号は関東のすぐ東海上を進む予想 上陸の可能性は?

台風7号は、日本の南海上を発達しながら北上しています。気象庁の進路予想では、このまま北上を続けて16日(金)午後に、房総半島のすぐ東の海上を中心とする予報円に達する見込みです。

この時点で中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は60メートル、中心気圧は950ヘクトパスカルで発達のピークを迎えて“強い勢力”で関東に最接近する予想です。気象庁の予報円の一部が房総半島にかかっています。

気象庁が発表している暴風域に入る確率では、房総半島の一部では70%以上の確率で暴風域に入る可能性があるとされています。

では台風が関東地方に上陸する可能性はどれくらいあるのでしょうか。アメリカ・ヨーロッパなど海外予報機関の進路予想と比較しながらそのあたりを見ていきましょう。

アメリカ海軍

ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)

アメリカ海洋大気庁

気象庁の進路予想で示される予報円は「その時刻に台風の中心が入る確率が70%」であることを意味しています。予報円の大きさは進路予想のブレ幅を表しています。

台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行います。数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。

アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予想の結果では、このあと台風は北上、その後はほとんどのデータが関東の東海上を進んでいく予想となっています。

ヨーロッパ中期予報センター

気象庁やアメリカ海軍の進路予想の予報円の大きさは、こうしたアンサンブル予想のブレ幅を示していますが、前日までに比べると予報円がだいぶ小さくなってきて予想が安定してきたことを示しています。アンサンブル予想結果のバラツキも小さくなってきています。

台風7号は関東のすぐ東の海上を進んでいく予想で概ねそろっていて上陸する可能性は低いとみられます。ただ発達のピークを迎えて強い勢力で関東のすぐ近くを進んでいくため雨や暴風、高波の影響を受ける予想です。

気象庁は関東南部で24時間300ミリの大雨 最大瞬間60m/sの予想

気象庁は、16日から17日頃にかけて、暴風域を伴って強い勢力で東日本や東北地方に接近するおそれがあるとして、東日本は暴風や高波、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒を呼びかけているほか、東北地方は暴風や高波に警戒し、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒を呼びかけています。

[風の予想]
 小笠原諸島では15日にかけて非常に強い風が吹く見込みです。東日本では15日から17日頃にかけて、東北地方では16日から17日頃にかけて、猛烈な風や非常に強い風が吹く所があるでしょう。
 15日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
   伊豆諸島  40メートル(60メートル)
   小笠原諸島 22メートル(35メートル)
 16日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
   伊豆諸島  40メートル(60メートル)
   関東地方  40メートル(60メートル)
   東北地方  25メートル(35メートル)

[波の予想]
 小笠原諸島では15日にかけて、うねりを伴い大しけとなる見込みです。東日本では15日から17日頃にかけて、東北地方は16日から17日頃にかけて、うねりを伴い猛烈なしけや大しけとなる所があるでしょう。
 15日に予想される波の高さ
   伊豆諸島  9メートル  うねりを伴う
   小笠原諸島 7メートル  うねりを伴う
 16日に予想される波の高さ
   関東地方  10メートル うねりを伴う
   伊豆諸島  10メートル うねりを伴う
   東北地方  7メートル  うねりを伴う

[雨の予想]
 小笠原諸島では15日にかけて、雷を伴った激しい雨が降る所があるでしょう。東日本や東北地方では15日から17日頃にかけて、雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨が降り、大雨となる所がある見込みです。
 15日18時から16日18時までに予想される24時間降水量は多い所で、
   関東甲信地方 300ミリ
   東北地方   120ミリ
 その後、16日18時から17日18時までに予想される24時間降水量は多い所で、
   関東甲信地方 200ミリ
   東北地方   120ミリ

※台風の最新情報については気象庁発表する台風情報をご確認ください

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