台風10号は発達しながら北上へ 強い勢力で本州直撃おそれ
22日未明に発生した台風10号は、22日午後9時現在、マリアナ諸島付近にあってほとんど停滞しています。中心気圧は996hPa、中心付近の最大風速は23m/sです。台風10号のアジア名は「サンサン」で、これは香港が提案した名称で「少女の名前」を意味しています。
台風10号は、このあと進路を北よりに変え、日本列島に向かってゆっくりと北上を始める予想です。徐々に発達して暴風域を伴うようになり、現時点の予想では27日(火)午後には紀伊半島付近を中心とする予報円に “強い勢力”で達する見込みです。中心気圧は950hPa、中心付近の最大風速は45m/s、最大瞬間風速は60m/sと予想されています。5日間の予報期間の中では4、5日先の勢力が最も強くなっています。
台風の進路予想図で示されている白い円の大きさは「予報円」で、台風の中心が到達すると予想される範囲を示しています。 予報した時刻に、この円内に台風の中心が入る確率は70%です。 円が大きくなっているからといって台風が大きくなることを意味するものではなく、予報のバラツキを表しています。
現時点での台風10号の5日先の予報円はとても大きく、東は関東から西は中国・四国地方が含まれています。まだ予報のブレ幅が大きいことを示しています。
現在、西日本の周辺海域は日本海も含めて沿岸部まで海水温が30℃前後と非常に高くなっています。海水温だけをみれば、仮に台風がこの海水温が高いエリアを進んでくれば日本に接近するまで発達を続けやすい状態です。
【画像で詳しく見る】台風10号は来週日本へ接近予想 28日(水)までの雨・風シミュレーション
台風進路の一つのカギは高気圧の勢力 別の気象庁モデルは紀伊半島を直撃予想
ただ次第に高気圧の日本付近への張り出しは幾分弱まって、勢力は東へと後退していく予想です。そうなると高気圧の縁の沿って北へと向かうようになります。時速15~20キロ程度と比較的ゆっくりした速度で北上する予想です。
台風の進路を決める一つの大きなカギはこの高気圧の勢力にあるといえそうです。
また、台風進路予想モデルとは異なりますが、日々の天気予報で使われる気象庁の別の数値予報モデルでは、台風10号は紀伊半島付近から北陸へと進む結果を示しています。
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ではアメリカやヨーロッパの海外予報機関の進路予想はどうなっているのでしょうか。
アメリカ海軍の進路予想 日本に近づくにつれ発達
22日午前3時の進路予想では、傾向は気象庁と大きく変わりません。日本列島に向かって北上する予想で、最大風速の予想をみると日本に接近したときに勢力が最も強くなっています。
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
アメリカ海洋大気庁 “関東・東海・近畿・中四国”方面とブレ幅大きく
台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行います。数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予報の結果をみると、まだブレ幅は大きく、関東・東海・近畿・中国・四国地方へと進む可能性を示唆する予想データとなっています。
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ヨーロッパの予想モデル 多くのデータが日本直撃の可能性を示唆
ヨーロッパ中期予報センターのアンサンブル予報結果です。アメリカモデルと同じように多くのデータが西日本から東日本を直撃する可能性を示唆する結果となっています。まだブレ幅は非常に大きい予想です。
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気象庁の進路予想やアメリカ・ヨーロッパなど海外モデルの予想をみると、まだブレ幅は大きな段階ですが、来週に台風10号が日本付近を直撃する可能性が高まっています。日本へ接近する際の勢力も予想が更新される度に強まっています。台風の大きな影響を受けるおそれが高まっていますので、今後の台風情報に十分注意してください。
※正式な台風に関する予報については気象庁が発表する情報を確認してください。
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