強い台風10号は日本の南を北上し、高知県内には29日から30日ごろに接近するおそれがあります。

台風10号は26日午後3時には日本の南にあって1時間におよそ20キロの速さで西北西に進んでいます。中心気圧は980ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルで、県内には29日から30日ごろ最も接近する見込みです。

県内は台風本体や周辺の発達した雨雲の影響で今夜から雨となり、あさってからは警報級の大雨となる見込みです。予想される24時間雨量は、27日午後6時までに100ミリ、27日午後6時までに150ミリ、さらに29日の午後6時までに300ミリとなっています。

また、28日以降、大雨・暴風・波浪警報が発表される可能性もあり、うねりを伴った高波や土砂災害などに警戒が必要です。気象台は「台風の進路次第では予想が大きく変わる可能性がある」として、常に最新の情報を確認するよう呼びかけています。

台風10号についてここからは気象予報士の東さんとともにお伝えします。当初の予想よりだいぶ進路が変わりましたね?

■東杜和 気象予報士
進路の予想の振り返りから見ていきます。土日でどう進路が変わったのか、きょうどうなったのか。

土曜日は紀伊半島のほう、四国より東側を通る確率が高いのではないか、そういう進路の予想だった。日曜日になると四国地方を直撃する確率が高いのではないか、そういう進路に変わりました。

きょう(26日)になると更に進路が変わりまして、西の方から九州に向かって進んでくるのではないか、そういう予想にどんどん変わってきています。

どうして西寄りに変化してきているのでしょうか?

■東杜和 気象予報士
当初の見立てでは高気圧の間を北に北上します。気圧の谷がやってきて偏西風に流される形でこのように北、北東に進んでいくのではないか。

現在の見立てでは台風の西側の寒冷渦というものが影響を大きく及ぼしているのではないかと考えられています。寒冷渦というのは上空の低気圧で、反時計回りの回転を持っています。この回転に引っ張られるように台風も西側へ進みます。

西側に進んだことで北上ができず、気圧の谷が通り過ぎて偏西風に乗れないのではないかと。ですので今度はこの太平洋高気圧に引っ張られる形で西日本を横断するようなルートを通るのではないかという予想になりました。

あらためて進路図を見ていくとこのように西の方に一旦離れてやってくることになっていますが、四国からかなり離れたところを通っていても大雨に警戒をして欲しい。

2023年の事ですが、よさこい祭りの本番1日目、台風6号の影響で線状降水帯が発生しました。このときの台風の中心は長崎県の西側でした。湿った空気が入り込んで高知県では線状降水帯が発生しました。

このときの中心気圧は975ヘクトパスカル、現在予想されているよりも勢力が弱いとされていてもこれだけの大雨でしたので、台風が離れているうちからでも警戒度を高めて最新情報に注意してください。

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