UNEP=国連環境計画は24日、温室効果ガスの排出と気温上昇について分析した報告書を発表しました。
この中で去年の世界の温室効果ガスの排出量はおととしに比べ1.3%増加し、571億トンと過去最も多かったとしています。
国別で見るとEUが7.5%、アメリカが1.4%それぞれ減少している一方、中国が5.2%、インドが6.1%、それぞれ増加しているなどとしています。
その結果、このままでは世界の平均気温は今世紀末までに産業革命前に比べて、2.6度から3.1度上昇するという見通しを示しました。
その上で、地球温暖化対策の国際的な枠組み、「パリ協定」に基づき、気温の上昇を1.5度に抑えるという国際社会の目標の達成には、2030年までに排出量を2019年と比べ42%削減する必要があるとしています。
そして「われわれは、世界中でかつてない規模とスピード感のある対策を必要としている」と訴えています。
各国は、来年2月までに2035年までの新たな温室効果ガスの削減目標の提出を求められていますが、報告書では来月11日から始まる「COP29」を、より野心的な削減目標の設定につなげる機会にすべきだと呼びかけています。
グテーレス事務総長「これ以上時間稼ぎはできない」
国連のグテーレス事務総長は報告書の発表にあわせてビデオメッセージを公開し、このなかで「温室効果ガスの排出量増加と、世界中で頻発し激甚化する気象災害との間には直接的なつながりがあり、人々はひどい代償を払っている。今回の報告書は明確で、私たちは火遊びをしているが、もうこれ以上時間稼ぎはできないということだ」と述べさらなる対策の必要性を訴えました。
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