ことしの猛烈な暑さの影響が意外な形でも現われました。庄原市の道の駅にある天然の冷蔵庫「雪室」の雪が完全に溶けてなくなりました。

雪室に雪を入れる様子(2022年)

県北・庄原市高野にある道の駅「たかの」です。ここを訪れる利用客に人気なのが、県内有数の豪雪地帯ならではの「雪室」です。

雪室は、冬の間に降った雪を使った天然の冷蔵庫で、夏場でも室温を0℃、湿度100%に保つことができます。ここで保管した野菜や果物はおいしさや甘みが増すとして人気の商品となっています。

そんな雪室に入れていた雪がことしはすべて溶けてなくなってしまいました。

道の駅たかの 宮口佳祐さん
「ご覧の通り、今年はすべてとけて雪室の中は空っぽです」

雪室にあった雪は9月上旬にはとけてなくなり、11年前にオープンして以来、初めてのことだということです。ことし高野では8月3日に観測史上二番目に高い34.5℃を記録するなど、7月から10月にかけて記録的な高温でした。

さらに昨シーズンの冬は暖冬による記録的な雪不足で去年12月から今年3月の間に降った雪の量は平年の4分の1しかなく、例年の半分ほどしか雪室に雪を入れられなかった影響も大きいということです。

雪室に貯蔵していた商品はすべて雪室の外に出して別に保管していますが、これまでの形では売ることができず、早々に売ることになったり加工品にまわしたりするなどしているということです。

道の駅たかのでは「最近は高野でも夏の暑さが厳しくなったと感じる。今後、雪室を使った商品を売ることができなくなるのではと心配だ」と話しています。

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