新潟県柏崎市の一部の地域で、稲作にとって“困った事態”が起きていました。
冬の少雪などの影響で『代かき』ができなくなりそうなほどの水不足となり、柏崎市では今年、異例の措置を取っています。

柏崎市の城之組地区では、農家が田植え前の『代かき』に精を出していました。
代かきとは、田植え前の田んぼに水を張って土を砕いて表面を平らにしていく作業で、“水”が不可欠です。

ところが今年は…

【城之組生産組合 佐藤慎司組合長】
「水が少ないと感じている。通常であれば、代かきで必要なときに水栓を開ければ水が入ってきてうまく整地ができるが、今年はそれができないので、組合員にもうまく農業用水を配分するために苦慮してもらっている状況」

柏崎市によりますと、鯖石川から農業用水を取る堰の一部では、7日の時点で水位が通常より40cmほど下がっているところもあったということです。

こうした事態を受けて柏崎市では、事態を打開しようと、7日に鯖石川のダムから代かき用の水を流したということです。

【柏崎市 桜井雅浩市長】
「鯖石川水系の末端の耕作者から『代かきが出来ない』というような水不足の声が上がったことから、昨日5月7日の段階で栃ヶ原ダムの放流を始めた」

柏崎市によりますと、稲が最も水を必要とする出穂期の前に放水を行うことはあるということで、去年は7月25日に放流しています。
しかし今年は2か月以上も早い放水対応となりました。

【城之組生産組合 佐藤慎司組合長】
「5月の放流は私も初めて。水の必要な放流の時期は決まっている。それがこの5月にもう発生するのかなと思っているので、この先が心配…」

代かき時の水不足について、今冬の少雪や、このところの晴天続きなどが影響しているとみられています。
なかなか読めない空模様ですが、農家は今年もおいしい米を食卓に届けようと、実りの秋に思いを込めています。

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