東京で4月に入って桜の満開が観測されるのは7年ぶりです。平年より遅れた桜の見頃も、そろそろ終盤です。この土日は各地で晴れてお花見日和となりますが、季節外れの暑さとなる見込みです。暑さ対策と食中毒予防を徹底して、お花見をお楽しみください。
2024年の桜は平年より遅い開花・満開に
今年の桜の開花は各地で平年より遅くなり、ソメイヨシノ開花の全国トップとなった高知は、3月23日開花で平年より1日遅い観測です。東京では結局、平年より5日遅い3月29日に開花し、4月4日に満開となりました。4月に入ってからの満開は、実に2017年4月2日以来7年ぶりとなる観測です。また、大阪では4月6日に満開となり、これも2017年4月6日以来7年ぶりとなる遅さです。西日本や東日本では久しぶりに入学式シーズンに見ごろを迎える結果となりました。
3月の気温がほぼ2月と一緒だった
なぜ、今年の桜は平年より遅れて咲いたのか。それは、3月の月平均気温が平年より低くなったことが、大きな理由の一つだと考えられます。上の表は、大阪の2月1日以降の日々の最高気温の推移です。2月は気温が平年より高い日が多く、18日には19.7度で4月中旬並みと季節外れの暖かさとなりました。しかし、2月下旬になると寒くなり、3月は繰り返し「寒の戻り」があり、3月21日には8.8度とまさかの“真冬並み”の寒さとなりました。ようやく3月末になって2月中旬を上回る暖かさとなり、桜が開花したわけです。今年は記録的な暖冬で、桜が“暖かさ慣れ”していたところに、3月は季節の歩みに急ブレーキがかかりました。開花へ向けた生長は余計に足踏み状態となり、「春本番はまだ先かな?」と、桜はのんびり気長に準備していたのかもしれません。
この週末がラストチャンス!?関西の桜見頃情報
今週前半の雨で花吹雪となった地域が多いものの、西日本や東日本ではまだ見頃の桜を楽しめる状況です。関西では、遅咲きの桜の名所である京都・仁和寺の御室桜が満開となったばかりです。また、大阪や京都より例年開花が遅めとなる滋賀の湖北で「日本のさくら名所100選」にも選ばれている海津大崎もこの週末が一番の見頃です。散り始めているものの、大阪城公園や姫路城などでも花吹雪の中、お花見が楽しめそうです。
花見日和の週末は季節外れの暑さに注意
全国で見ると、12日(金)に盛岡で桜が開花し、まもなく桜前線は青森に到達する見込みです。西日本や東日本でまだ見頃が続く名所では、この週末がお花見のラストチャンスとなりそうです。土日は九州南部で雨の降る所がありますが、そのほかの地域はだいたい晴れて、お花見日和となるでしょう。ただし、気温は平年よりかなり高く、東京や名古屋大阪など各地で、14日(日)の最高気温は25度前後の予想です。半月ちょっと前は真冬並みの寒さだったのに、昼間は半袖でも過ごせるような暑さとなり、体調への影響も心配になります。体が暑さに慣れていない時期である分、屋外では定期的に水分補給をするなど、暑さ対策を心がけましょう。食品を扱う際は食中毒予防も徹底して、この春ラストチャンスとなるお花見をお楽しみください。(気象予報士・広瀬駿)
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