皆さんは「アーティスト・イン・レジデンス」を知ってますか?国内外の芸術家を一定期間招いて滞在中の活動を支援する。つまり、芸術家という創造的な資源を活用し、地域活性化を図るという活動なんです。いま、禅の町として知られる永平寺町で、海外から2人のアーティストがこのプログラムに参加しています。地域住民との交流からどのような作品が出来たのでしょうか
ブラジル人の写真家カミラ・スヴェンソンさん35歳です。カミラさんは「ずっと日本に来てみたかった。でも方法が分からなくて…。永平寺町がどんな場所か知らなかったが、プログラムに参加してこの街を知っていった」と話します。
「永平寺は特別な場所」と話すカミラさん、県や永平寺町、地元の商工会などでつくる実行委員会が主催する「アーティスト・イン・レジデンス 永平寺」のプログラムに参加、9月から約2カ月間、永平寺町に滞在し制作を行ってきました。
主催者側では「永平寺は禅の町としてアーティストから注目されている。私たちは普段の生活の中に溶け込んでしまっていて、自分の街の良い所、魅力を見落としがち。アーティスト目線でこんなことも『魅力』なんだと気付いてもらう。そういった所が地域活性化になっていくのでは」と話しています。
カミラさんは、大本山永平寺から徒歩5分の古民家に滞在し散歩するのが日課で、散歩の途中で見つけた曹洞宗の開祖、道元禅師の幼少期の像がお気に入りです。「ここに来るたび強いエネルギーを感じる。見るたびに受ける印象が違ったりー」と話します。
永平寺の文化―、自然―、小さいカメラを常に持ち歩き、日記をつけるかのように気の赴くままにシャッターを切ります。
そんなカミラさんが永平寺町内を中心に撮りためた作品が16日から展示されます。15日は内覧会が開かれ、地元の住民や関係者など約20人が集まりました。来場者からは「ここで暮らしてきた人たちの生活の美しさがそのまま写真に表れているような気がして感激した」との声が上がっていました。
この会場には、もう一人の参加者、中国人アーティストのミャオ・リーさんの作品も並んでいます。
カミラさんは「ここに滞在して、何かが大きく変わった。何が変わったか言葉には出来ないけど…。時間が経ってから、自分にとってどういう影響があったか分かってくると思う」と参加した意義を語ります。
作品展は24日まで旧永平寺保健センターで行われます。
尚、期間中、休日にはカミラさんとミャオさんの2人が会場にいて一緒に作品について話もできるそうです。
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