第82期名人戦第4局の勝利から一夜明け、笑顔を見せる挑戦者の豊島将之九段=大分県別府市で2024年5月20日午前8時55分、金澤稔撮影

 大分県別府市の割烹(かっぽう)旅館もみやで18、19の両日に指された第82期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の第4局に勝利した挑戦者の豊島将之九段(34)が一夜明けた20日、宿泊先のホテルで取材に応じた。前夜は関係者との打ち上げが遅くまで続き、「勝利の後の温泉はどうだったか」と聞かれると、激闘の跡を物語るように「結局、疲れてすぐに寝ちゃってしまった」と答え、取材陣の笑いを誘った。

 開幕から3連敗を喫し、カド番に追い込まれた豊島九段。精神的にも苦しかったと思われるが、第4局では藤井聡太名人(21)の失着をとらえて横歩取りの乱戦を制し、「結果を出して次につなぐことが大事だと思っていたのでよかった」とホッとした表情を浮かべた。

 温泉には前夜祭と1日目の指し掛けの夜に入ったと言い、「対局ではうまく睡眠が取れるかも大事だが、すごく体が温まって、割とすぐに寝付けた。対局の後の疲労も普段と比べて少なかった」と効能にお墨付きを与えた。

 第4局の勝利は、今年度7戦目での初白星にもなった。「連敗は気にはなっていた」と話した豊島九段。すっきりした気分で次の北海道紋別市の対局に向かえそうだ。【新土居仁昌、丸山進】

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