5月29日に初登庁し、就任会見に臨んだ静岡県の鈴木康友 新知事は、選挙戦で披露した県東部地域への医学部誘致構想について「可能性としてはゼロではないと思うが、ハードルが高いと思っている」と事実上撤回しました。

5月26日に行われた静岡県知事選で初当選した鈴木康友 新知事は、県東部地域で演説を行うたびに中部・西部地域と比べて医療資源が不足していると指摘した上で、東部地域に医学部を誘致する構想を披露し、「これは不可能ではない。すでにアテも少しある」などと述べていました。

こうした中、29日の就任会見でこの点について問われた鈴木新知事は「可能性としてはゼロではないと思うが、よくよく状況を調べていくと、これからどんどん人口が減っていく中で、医師自体もマクロとしてはもう間もなく医師が余る。当然、地域的な偏在は残ると思うが、そういう時代に入ってくるので、なかなか新たな医学部の新設はハードルが高いと思っている」「即誘致できるとはなかなか考えられないので、可能性を探ることはやぶさかではないが、それよりも即効性のある施策に重点を置いた方がいいと思っている」と、事実上構想を撤回。

その上で、東部地域の医師不足に対しては「県が行っている医学就学奨学金制度(医学就学研修資金)の定員を増やして、増やした分を東部地域限定の医師の供給システムにしていくという即効性のあることは出来ると思うので、知恵を絞っていきたい」と話しています。

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