自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、党幹部が各地を行脚する「政治刷新車座対話」が7日、名古屋市中区の党愛知県連であり、茂木敏充幹事長が「深く反省をし、強い危機感を持って対応していかなければいけないと考えている」と陳謝した。
車座対話には党本部から茂木幹事長と牧島かれん副幹事長が、県連から丹羽秀樹会長など執行部役員ら約20人が参加して意見交換した。冒頭あいさつ以外は非公開で行われた。
裏金事件を巡っては、安倍派に所属し、愛知3区を地盤としていた池田佳隆衆院議員=比例東海=が政治資金規正法違反容疑で逮捕・起訴され、除名処分を受けるなど県連にも激震が走った。党本部は4日、安倍、二階両派の議員ら計39人の処分を決定した。
車座対話の冒頭、茂木幹事長は「皆さんに厳しい声が寄せられ、ご苦労をおかけしている」と謝罪。「自民党が生まれ変わって日本の再生を成し遂げるために、さまざまな声を受け止めながら、党改革をしっかりと進めていきたい」と話した。
裏金事件の処分では、派閥での役割や政治資金収支報告書への不記載額に応じて処分の軽重が判断された。ただ、政治資金パーティーの収入の一部を議員側に還流する仕組みがどういう経緯で始まり、一度は中止の声が出ながら継続された理由は不明のままだ。事実関係があいまいなままの処分には党内から不信の声も上がる。
丹羽会長らによると、車座対話に参加した地元議員からは「処分内容に納得いかない」「党本部としてもっとしっかり真相究明をしていただきたい」「自民党議員だから裏金をもらっているんじゃないかという疑いの目が我々地方議員にも向けられている」など、批判や要望が出た。
次期衆院選では、愛知16区は党本部主導で公明党の候補に一本化することが決まっている。関係者によると、16区内の議員からは「そもそも(自民党の)独自候補がいない中、この裏金問題が『自民を応援しなくていい』という有権者の意識にさらに輪をかけてしまうのではないか」との懸念も示されたという。
丹羽会長は記者団に「しっかりと(問題のあった)議員本人が説明していくことが必要だと考えている」と語った。【加藤沙波】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。