大阪・関西万博に子供たちを無料で招待する事業をめぐり、大阪府内の約7割の学校が訪問を希望していることが分かりました。しかし学校現場からは「希望する」を回答せざるを得ないと不満の声が上がっています。
【大阪府 吉村洋文知事】「子供たちの見分の機会を広める、大きな教育的意義があるという意味でこれだけ多くの学校が参加の希望をされたと思っています」
大阪府は、万博に子供たちを無料で招待する事業をめぐり、府内の全ての学校に訪問を希望するかどうか、5月末までに回答を求めていました。
これについて大阪府の吉村知事は3日、約9割の学校から回答があり、全体の約7割が訪問を希望、約2割が「未定・検討中」だったと明らかにしました。
■「できれば遠足の行先に万博を選びたくない」
しかし、今回「希望する」と回答した小学校の校長は…
【大阪府内の小学校の校長】「今は不安要素しかないので、できれば遠足の行先に万博を選びたくない」
会場へのアクセスや昼食を食べる場所などがあいまいで、大阪府から納得のいく説明がなく、今の状態では、万博に遠足で行くのは難しいと考えています。
ではなぜ、今回訪問を「希望する」と回答したのでしょうか。
学校へのアンケート画面を見てみると、選択肢は訪問を「希望する」もしくは、「未定・検討中」のみ。「希望しない」は存在せず、「未定・検討中」と回答すると、「事務局より連絡する」との記載があります。
さらに…
「来場希望日等の入力が行われなかった場合、来場日等の確定が遅れる可能性や日程を確保できない可能性が発生します」
「希望する」と回答し、希望日などを記載しなければ、のちのちの調整が困難になる、と示唆。
【大阪府内の小学校の校長】「行きたくなった時とか、行かないといけなくなった情勢がある時に困るので、とりあえず(希望するに)したっていうことです。こんな何も分からない時に締め切りをされるっていうことは、本当に横暴だなっていうのを感じます」
学校現場から不満の声が上がっていることについて、吉村知事は、再調査の必要はないとしたうえで、「個別の声には丁寧に対応していきたい」と話しています。
■子供たちの安全のため綿密な計画が欠かせないが「万博遠足」は分からないことが多い
学校現場は困惑している状況です。
【関西テレビ 加藤報道デスク】「『絶対いや』だということで不満の声を上げているのではなく、先生は遠足一つ取っても、子供たちがけがをしないように事前に下見をしたり、どういう手段で行くか綿密なシミュレーションをするわけです。今回はまだ分からないことが多すぎる。不安要素がたくさんある中で、すぐに『希望する』とはなかなか言えませんということを、一部の先生は言っています」
『希望する』という回答の先にある「本当の声」。これらを受け止める丁寧な事業運営ができるのか、関係者の姿勢が問われています。
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