経済安全保障に関する機密情報の取り扱いを国が身辺調査で認めた人に限る「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度導入を柱とする新法案「重要経済安保情報保護・活用法案」が17日、参院本会議で審議入りした。機密情報の保全対象が経済安保分野にも拡大することで、国民の知る権利が制限されかねないとの懸念が根強い。
新法案は、漏えいすると国の安保に支障を与える恐れがあるものを「重要経済安保情報」に指定し、情報を漏らした場合は5年以下の拘禁刑などの罰則を科す。9日に衆院を通過した。参院での審議を経て、今国会で成立する見通し。
より機密性が高い経済安保情報は「特定秘密保護法」の運用拡大で対応する方針で、新法案と合わせ二段構えで秘密保護法制を強化する。
既に経済安保分野で適性評価制度を運用する欧米各国と足並みをそろえ、当局間の情報共有や民間の競争力強化を図る狙いがある。ただ、どのような情報が保全対象になるのかは具体的に示しておらず、有識者らからは恣意的な機密情報の指定で知る権利が制限されたり、身辺調査でプライバシーが侵害されたりする懸念が指摘されている。
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