参院憲法審査会幹事懇談会に臨む与野党の幹事ら。中央は中曽根弘文会長=17日午後、国会内(春名中撮影)

参院憲法審査会の幹事懇談会が17日、開かれた。衆院憲法審で緊急事態条項新設の協議が煮詰まる中、与党筆頭幹事の佐藤正久氏(自民党)は現行憲法に規定されている「参院の緊急集会」について議論を深めるべきだと提案した。しかし、立憲民主党が異論を唱えた上、今国会初の実質的な憲法審の開催日も決まらず、「脱牛歩」は見通せない。

佐藤氏は幹事懇終了後、記者団に「(災害や国際情勢を踏まえて)緊急集会の流れや限界を押さえておくのは非常に大事だ」と強調した。

関係者によると、公明党や日本維新の会、国民民主党は佐藤氏の提案に同調したが、立民は憲法改正のルールを定めた国民投票法の改正や同性婚などを扱うべきだと主張した。この日は結論が出ず、24日の参院憲法審の定例日は再び幹事懇を開いて議論を続ける。

大型連休を踏まえ、佐藤氏は本格的な憲法審を5月8日に開きたい考えだが、合意には至っていない。衆院側に比べて議論の遅れが指摘されている中、維新の片山大介氏は17日の幹事懇で「定例日以外にも開催すべきだ」と訴えたが、実現するかは不透明だ。

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