日本政府観光局は17日、3月の訪日外国人客数(推計値)がコロナ禍前の平成31年3月と比べ11・6%増の308万1600人だったと発表した。単月で300万人を超えたのは初めて。令和6年1~3月期の累計値でも、約856万人で第1四半期として過去最高を記録した。
韓国、台湾からの訪日客増加が要因となったほか、円安も大きく影響した。観光庁の高橋一郎長官は訪日客について堅調に回復しているとしたうえで、「このペースで進めばコロナ前水準超えの政府目標を前倒しで達成できる見通しだ」と期待を述べた。
国・地域別では、韓国が平成31年3月比13・2%増の66万3100人と最多だった。主要23カ国・地域のうち、17地域で3月として過去最高を記録したほか、欧米や豪州などで回復が進んだ。
訪日外国人の消費額については、円安と国内での物価上昇を背景に、増加傾向が続いている。令和6年1~3月期の消費額は1兆7505億円で、四半期として過去最高を記録。1人当たりの旅行支出も約21万円と、政府が観光立国推進基本計画で7年目標に掲げる20万円を超えた。
一方、訪日客の地方誘致では課題が残る。観光庁によると、5年の訪日客の宿泊先は三大都市圏(東京・大阪・愛知など)で約7割を占めた。星野リゾートの星野佳路代表も17日に開いたオンラインの会見で、「インバウンドが大都市圏に集中している点は大きな懸念だ」と語った。
高橋長官は地方への訪日客誘致について、「受け入れ環境整備や地方の魅力発信を強力に進めていく」との方針を述べた。
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