旧優生保護法(1948~96年、旧法)を違憲と断じた今月3日の最高裁判決を受け、岸田文雄首相は17日、旧法の下で不妊手術を強制された原告らと首相官邸で面会した。冒頭、首相は「旧優生保護法に基づく施策によって約48年間、少なくとも約2万5千人もの方々が不妊手術という重大な被害を受けるに至ったことは痛恨の極み。同法を執行してきた立場として、その執行のあり方も含め、政府の責任は極めて重大なものがあり、心から申し訳なく思っており、政府を代表して謝罪を申し上げます」と述べ、頭を下げた。

 現在も各地で同様の訴訟が続く中、首相は損害賠償請求権が消滅する除斥期間の適用を求める主張を取り下げる方針。これにより、各地で起こされた訴訟は和解などの解決へ前進する見通しだ。

 最高裁大法廷は、旧法を「立法時点で違憲だった」と認定。除斥期間を適用せず、賠償金を支払うよう国に命じた。全国には提訴できない事情を抱えた人もいるとされ、日弁連が相談会を開くなどの対応を進めている。原告らは高齢化や健康面の懸念から国に早期の対応を求めている。

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