自民党の河野太郎デジタル相(61)は26日、国会内で記者会見を開き、党総裁選(9月12日告示、27日投開票)への立候補を表明した。正式表明は3人目で現職閣僚では初めて。派閥裏金事件に関係した議員に対し、政治資金収支報告書の不記載額を返納するよう主張。原発政策に関しては「リプレース(建て替え)も選択肢」だとして、原発容認の姿勢をアピールした。

総裁選の論点である裏金事件への対応では、「検察が調べて分からないものを真相究明するのは難しい」と指摘。「不記載と同じ金額を返還していただくことでけじめとするのがいい」と訴えた。関係議員は返納を条件に衆院選で公認する考えを示し、「党の候補として国民の審判を総選挙で仰ぐことになる」と語った。

衆院解散については「首相の専権事項だ。今の時点で手を縛ることは避けたい」と述べるにとどめた。

河野氏は「脱原発」が持論だったが、党内の反発を踏まえて容認に転換した経緯がある。会見で、生成AI(人工知能)などの普及に触れ「電力需要の急速な伸びで、原発を再稼働しても足らなくなる」と説明。核融合を含め「今は電力供給を最大限にするためあらゆる技術に張っておかなければならない」と訴えた。

「財政規律を取り戻す」とし、「民間主導で経済を発展させる妨げになる規制は大胆に改革する」と強調。選択的夫婦別姓制度は「認めた方がいい」と明言した。総裁選に関し、外相や防衛相などの経験を踏まえ「改革を積み上げてきた実績が問われる」と語った。

河野氏は衆院神奈川15区選出で当選9回。麻生派に所属し、総裁選は3回目の挑戦となる。

自民党総裁選への立候補を表明する河野太郎デジタル相=26日午後、国会内

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