長崎に原爆が投下された時、国が定めた「被爆地域」の外にいたとして被爆者と認められていない「被爆体験者」の裁判をめぐり、支援者が厚生労働省を訪れ、控訴の断念などを求めました。

控訴の期限は来週に迫っていますが、厚労省は対応を「協議中」としています。

「被爆体験者」をめぐっては今月9日に長崎地裁が東長崎地区で放射性物質を含む「黒い雨」が降ったとして、原告44人のうち15人を被爆者として認める判決を言い渡しました。

控訴の期限は今月24日ですが、支援者や原告側弁護士などは19日に厚生労働省の担当者と面会し、控訴を断念することと、当事者の「体験者」が国や県・長崎市と協議する場を設けることなどを求めました。

支援者によると厚労省は要望について20日午後に「協議中」と回答したということです。

岸田首相は8月に被爆体験者の問題について「合理的解決」を武見厚労相に指示しています。

「体験者」側は裁判で敗訴した原告を含めて政治判断による幅広い救済を国に求めています。

被爆体験者 岩永千代子さん(88)
「『被爆体験者』は被爆者だということ。判決は判決」「言葉は生きている、責任もってきちんと果たしてもらいたい、首相ですから」

原告側は控訴期限の24日までに、国側が何らかの態度を表明するとみています。

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