次期衆議院選挙の京都4区で、日本維新の会から立候補予定だった松井春樹さんの元事務所幹部が、偽名を使ってライバル陣営に出入りしていたことが分かりました。一体何が目的だったのでしょうか?

弁護士の松井春樹さん(26)は、次の衆議院選挙の京都4区で、日本維新の会からの立候補を予定していました。

■立候補予定者事務所の事務局長 同じ選挙区のライバル事務所に偽名で出入り

しかしその松井さんの事務所の事務局長だった男性が去年12月以降、同じ京都4区選出の北神圭朗衆議院議員の事務所に、偽名を使って出入りしていたことが明らかになりました。

元事務局長はポスターの張り替えや電話がけなどをしていたということですが、一体、何が狙いだったのでしょうか。

北神議員は事務所を通じ、「相手陣営の事務局長が素性を偽って偽名で当方の事務所に出入りすることは、名簿を奪われる恐れなどもあり、政党としても総括していただきたい」とコメント。


一方の松井さんは、SNSで、元事務局長とはほとんど連絡が取れず、詳細が完全には把握できないとした上で、次のように投稿。

【松井春樹さんのSNSより】「一部に、彼が名簿などを盗む目的で他の政治団体に近づいたのではないかとの疑いを持つ方もおられますが、少なくとも自分が聞いた範囲では、そういった不法行為はなかったと聞いていますし、それを信じたいと思います」

元事務局長から名簿のようなものを受け取ったことも、名簿を利用して支援者を回ったことも一切ないと釈明しました。

事態の責任を取り、衆議院選挙への出馬を辞退するとともに、24日付で日本維新の会を離党した松井さん。

日本維新の会の吉村共同代表は…
【日本維新の会 吉村洋文共同代表】「報道があるのは知っています。報道が事実ということであれば、他陣営に対しては申し訳ないと思いますし、あってはならないことだと思います」

こう述べた上で、今回の事案や、兵庫県の斎藤知事のパワハラ疑惑などで維新への逆風を感じていることを認め、「襟を正して真摯に政治をやっていく」との考えを示しました。

■「選挙で名簿は“命”」とジャーナリストは指摘

ライバル陣営の事務所に偽名を使って出入りするようなケースはあるのでしょうか?

【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「聞いたことはないですね。今回の場合、維新がやったとかじゃないんだけど、北神さんのところがコメントを出していたように、“名簿”を盗まれるような恐れもある。選挙で名簿って“命”なんです。『お願いします』と支援者に言う一覧。ここに載っている人たちというのは、一般の有権者じゃなくて、政治に興味がある人たちです。敵陣営がどういう人達に声をかけて、どういう人たちがいわゆる支援者なのか。それがあれば、その人たちに『今度は私にしてください』なんてことも。名簿というのは選挙の場合、本当に命なんです。どうもそれを見に行ったんじゃないかといま言われていますが、分かりません。これから事実は明らかになるでしょう。それぐらい、いま選挙はそこまできていて、緊迫した状況になっている背景もありますね」

(関西テレビ「newsランナー」 2024年9月25日放送)

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