【ワシントン=渡辺浩生】ウクライナ支援などを盛り込んだ緊急予算の採決前の23日の米上院討論で、岸田文雄首相が11日に米議会で行った演説を引用しながら、米国のリーダーシップの重要性と予算案の支持を訴える議員が相次いだ。
共和党上院トップのマコネル院内総務は冒頭、「諸君は『米国の指導力は不可欠(indispensable)だ』という日本の首相の意見を共有するのか、それとも世界的な指導力の責任と利益を放棄するのか」と呼びかけた。
続いて同党のグラスリー上院議員は、自国のあるべき役割に関する米国民の「心の中の自己疑念」という岸田氏の言葉を引き、「日本の首相は、自由を擁護し安定と繁栄を育てる米国の指導的役割を感動的に話した」と述べた。
同党のサリバン上院議員も「日本は肩を並べて米国と協力し合うと、日本の首相が語った。われわれも同盟諸国との協力に注力するというメッセージを送らねばならない」と訴えた。
中露などの挑戦を受け自由世界が未曾有の危機にある中、予算案採決は議会にとり「世界をリードする米国の意欲と備えの試金石」(マコネル氏)となり、岸田氏の議会演説は格好の素材となったようだ。
20日の下院での採決前討論でも、共和党のヒル議員と民主党のカムラガー・ダブ議員が岸田氏の演説に言及した。
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