<担当記者解説・非公認になるとどうなる>
◇公認を申請していた自民党県連は、今回の党本部の決定をどのように受け止めていたのか?
「公認申請が認められなかったケースは初めて」ということで戸惑いも広がっていた。自民党県連は昼過ぎに選挙対策委員会を開き、対応について協議した。
菅家さんは自民党県連の幹部と9日朝電話で話し、「無所属でも出馬する」と立候補の意思を改めて伝えたということだ。その上で、県連としてバックアップすることを確認したということだ。
自民党福島県連・矢吹貢一幹事長は「公認を得られなくても立候補をするという強い意思を示していただきました。無所属ではありますが、自民党の党員でありますから。党員を応援するということであります。出来うる限り、全面的に他の選挙区と同じような態勢で臨んでいきたいと」と話した。

◇公認を得られないということは、選挙戦にどのような影響を与えるか。
公認と無所属の違いは次の通り。
まず、配ることができるビラの枚数は、公認候補は政党に割り当てられた4万枚を足した11万枚だが、無所属の候補者は7万枚。
そして、政治上の意見をラジオやテレビで表明できる政見放送については、公認候補はできるが、無所属の場合はできない。
資金面でも大きな違いがある。公認候補は政党から「公認料」として活動資金が提供されるが、無所属の場合は当然ない。
また、公認候補は比例代表での復活当選の可能性もあるが、無所属の場合はそれがなく、小選挙区で敗れた時点で落選となる。

政党のサポートがないというのは、かなり厳しい戦いが強いられる。
ただ、今回非公認とされた候補者だが、石破総理は当選した場合は追加公認するとの考えを示している。

<非公認の線引きは?>
◇今回、全体で12人が自民党「非公認」となったが、線引きはどこにあったのか?
非公認となったのは、裏金問題で重い処分を受けたか、現在も処分が継続している6人。そのほか、菅家一郎さんなど3人は党役職停止半年の処分。さらには、戒告や幹事長注意を受けた議員も非公認の対象となっていて、処分などによって、明確な線引きは見当たらない。
石破総理は非公認の条件の1つに、「地元の理解が進んでいない人」を挙げているが、一方で党幹部は、「当選の可能性などを考慮した」と、非公認の理由を明かしている。

<福島1区は公認・一騎打ちへ>
裏金を巡っては、自民党の前職・亀岡偉民さんも、政治資金収支報告書への不記載で、幹事長注意を受けているが、自民党からの公認を受けた。
1区は前回に続いて、立憲民主党の前職・金子恵美さんとの一騎打ちとなる見通し。

自民党・前職 亀岡偉民さんは「福島・復興まさに道半ばですから、本当の意味で真の復興がなせるための、これからの時代になりますので、その時にしっかりとですね、働く場所がないと恩返しができませんので」と話す。
「信頼回復」を強調した亀岡さん。今回は比例代表との重複立候補が難しいとされ、小選挙区で敗れると議席を失う可能性も。
亀岡さんは「とにかく小選挙区で勝たなければ、活躍できないというのは間違いないありませんので、しっかりと国民の皆さん、有権者の皆さん信頼を得られるように、できる限りの選挙をやっていきたいと思ってます」と話した。

一方、今回も議席を争うことになる立憲民主党の前職・金子さんは政治改革の必要性を訴えた。
立憲民主党・前職 金子恵美さんは「政治と金の問題幕引きをさせてはいけないし、そしてまた、今苦しんでいる人たちに対するできるだけ早い支援をしなくてはいけないし、また物価高騰の中で苦しい思いをしている人もいるということも含めて、しっかりと私たちの考え方を多くの方々に伝えていけないと思っています」と話した。

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