立憲民主党の野田佳彦代表は10日、時事通信などのインタビューに応じ、衆院選について「自民、公明両党の過半数割れは非現実的ではない」と述べ、政権交代を目指す考えを示した。
―自民政権の悪弊は。
弊害はいっぱい目に見えてきた。政治に金をかけ過ぎ、金権文化をつくってしまったこと。世襲の議員も多過ぎる。(国民に)政治なんて誰がやっても同じだと思わせ、無力感を持たせている。ノーと意思表示をしなければ政治は変わらない。
―争点に政治改革を掲げた。
本当は経済問題も大きな争点だ。ただ、それを言う以前に事実上の「裏金隠し解散」だ。政治に対する信頼を取り戻し、そのほかの政策を語れる環境にしていくことが大事なのではないか。
―政権交代の自信は。
2009年(の旧民主党の勢い)と比べれば全然肌感覚が違う。ただ、自公の過半数割れは非現実的ではない。比較第1党を取れば、政権を取れるチャンスがある。自公過半数割れになれば劇的に政治が動く。
―目標は。
マストは自公の過半数割れだ。政権交代という言葉にリアリティーがないと(いけない)。(候補者数を)230人台に乗せられるよう比例代表名簿も増やしていきたい。
―背水の陣を敷くか。
(自分は)政権を渡した側。「水中の陣」だ。水の中から崖に爪を立ててはい上がっていくようなつもりで挑戦している。崖を上がり切りたい。
―野党候補者の一本化は進んでいるか。
調整は目に見えないが、やっているところはたくさんある。全然手を着けていないわけではない。
―非自民連立政権を目指すか。
各党と誠意ある対話をする中でどういう一致点を見いだせるかだ。連立を組むのはどこなのか、閣外協力はどこがやってくれるのか、首相指名は応援してくれるのか、個別の政策協定となるのか。やってみないと分からない。その際に(政策協議で)一致点を見いだすことが大事だ。
―旧民主党政権の反省点は。
政治主導が空回りし(官僚と)力を合わせて課題に対応する構図に持ち込めなかった。政治と官の健全な関係をつくることが大事だ。
―在沖縄米軍基地問題にどう臨むか。
米軍普天間飛行場の(移設)問題は沖縄県民の意向、感情を踏まえて対応していきたい。日米地位協定(見直し)も真摯(しんし)に協議しなければならない。
―北方領土問題にどう取り組むか。
元島民の墓参実現へ最大限努力する。(現在は)2島返還論が前提になっているが、私はもともと4島(返還論者)だ。政府の中でよく把握してから対応を決めたい。
インタビューに応じる立憲民主党の野田佳彦代表=10日午前、東京・永田町の同党本部
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