いよいよ15日に公示される衆議院議員選挙。
広島4区に注目します。

「10増10減」に伴う選挙区の区割り変更の影響を大きく受け、今までは選挙区が違った与野党2人の前職が初めて対決する見通しです。

【広島4区 自民・前 寺田稔氏】
「おはようごいざいます」
【広島4区 維新・前 空本誠喜氏】
「回ってもいい?じゃあ回ってきます」

この週末、酒どころ・東広島市で開催された「酒まつり」。
衆院選の公示を3日後に控え、地元の一大イベントの会場内をあわただしく駆け回って挨拶していたのは自民党・前職の寺田稔(てらだ みのる)氏(66)と日本維新の会・前職の空本誠喜(そらもと せいき)氏(60)だ。

小選挙区の区割り変更が初めて適用される今回の衆院選。
県内でその影響を最も受けたのが4区だ。
これまでの旧4区と旧5区が統合される形で、それぞれの選挙区の大票田だった東広島市と呉市が1つの選挙区に含まれた。

【広島4区 自民・前 寺田稔氏】
「地方が主役である、これをキャッチフレーズとして我々この選挙戦、戦い抜いてまいります。東広島の発展のためにはなくてはならない道路網の整備、早期に実現し交通基盤を築き、我々として全力でその取り組みを進めてまいりたい」

酒まつりの前日にも東広島市の中心部に立ち、「地域再生」への思いを訴えていた寺田氏。
これまで呉市を地盤に旧5区で6回の当選を果たしてきたが、新たに選挙区に含まれる東広島市では新人に等しい。

【広島4区 自民・前 寺田稔氏】(去年6月)
「東広島事務所の開設にあたって、これからわたくしもゼロからのスタートでございます」

去年6月、東広島市で事務所開きを行った寺田氏だが、区割り変更に伴い、自民党では新たな4区の候補者調整が難航した経緯がある。
旧4区の前職と旧5区の寺田稔氏の2人が新4区での立候補を希望したからだ。

【広島4区 自民・前 寺田稔氏】(去年3月)
「新たな選挙区の支部長という話をいただいたところでございます。お互いがお互いに協力していくということじゃないでしょうか」

去年3月、党本部は新4区に寺田氏を擁立し、旧4区の前職は比例中国ブロックに移ることを発表。
新たな選挙区で戦う寺田氏にとって旧4区前職の後ろ盾は欠かせない。

【広島4区 自民・前 寺田稔氏】
「この選挙戦、政治改革も大変大きなテーマとなっております。我々自民党全体として深い反省の上に立ち、政治改革をしっかり前に進めていくことも誓いを申し上げる次第でございます」

「政治とカネ」が最大の争点の一つとなる今回の衆院選。
自民党への逆風だけでなく、寺田氏にとっては2年前、第2次岸田改造内閣で総務大臣として初入閣を果たしたものの、政治資金報告書の不適切処理が発覚し大臣を辞任した経緯もあり、有権者からは厳しい目が向けられる可能性も否めない。
このことについて寺田氏本人は…

【広島4区 自民・前 寺田稔氏】
「一切地元からの疑問も出ていませんし、適正処理したねということで納得されていると思います、その点については、いわゆる今問題となっている裏金問題とは違うということもご理解されていると思います」

【広島4区 維新・前 空本誠喜氏】
「政治とカネの問題にしっかりとメスを入れるという戦いをしなきゃいけないと覚悟しました」

「政治とカネ」の問題を追及すると意気込むのは日本維新の会・前職の空本氏だ。
衆議院解散の翌日には広島に戻り、大臣経験者という新たな強敵に徹底抗戦の構えを見せた。

【広島4区 維新・前 空本誠喜氏】
「与党過半数割れを目指して戦うべきだと思いますので、そういった意味では象徴的な選挙区になると考えています」

3度目の当選を目指す空本氏は前回、旧4区の小選挙区で敗れたものの比例で復活当選。
国会では、東広島市の井戸水から有機フッ素化合物が検出された問題を追及するなど地元が抱える様々な課題に向き合ってきた。

【広島4区 維新・前 空本誠喜氏】
「本当はフックがあったんだけど壊れちゃった。年代物なので」

エリアが大幅に広がった新4区を相棒の自転車でくまなく駆け回る。
新たに選挙区に含まれる呉市は音戸町生まれの空本氏にとっては高校までを過ごしたゆかりの場所である。

「いい汗かいてます。もともと倉橋島の生まれですから島っていいですよ。島がどんどん高齢化してるんですよ。町おこしじゃないけど島おこしやってるんだけど、私も一緒に取り組んでいきたいと思っています」

この日の呉市の最高気温は平年を上回るおよそ27℃。
還暦を迎えたが。体力には自信があると意気込む。

【広島4区 維新・前 空本誠喜氏】
「政治とカネの問題は自民党の体質だと思います、それについてはしっかり追及していきたいと思っています。ただし一番大事なのは政策。地域の活性化、また今の円安こういった問題をどうとらえるか、金融の問題もしっかりとらえていきたい」

他の野党も候補者擁立を検討したが、最終的に、寺田氏と空本氏の一騎打ちとなる見込みの広島4区。
区割り変更の影響を大きく受け、有権者の投票の行方が注目される。

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