10月27日投票の衆議院議員選挙。注目の選挙区を10月22日からシリーズで紹介します。初回は、激戦が予想される岡山2区。前職と元職と新人による三つ巴の戦いとなりました。
岡山2区に立候補しているのは、届け出順に自民党・前職の山下貴司さん(59)、共産党・新人の余江雪央さん(47)、立憲民主党・元職の津村啓介さん(52)の3人です。
新しい区割りの岡山2区は、これまで1区と2区に分かれていた岡山市南区が、全て2区に再編され、旧2区に入っていた岡山市北区の一部が1区にまとめられました。
新しく加わった南区でどう浸透を図るかが候補者の課題です。
(山下貴司候補<自・前>)
「おはようございます。いってらっしゃい。」
岡山市出身、自民党の山下貴司さんは、5期目への挑戦です。2012年の初出馬以降、小選挙区で勝利を続け、3期目で法務大臣を務めました。これまで、12の議員立法を成立させた実績などをアピールしています。
(山下貴司候補<自・前>)
「政治とカネの問題、これは本当に皆さん頭に来ていると思います。自民党を野党がたたいて野党に政権交代してそれで終わりでは実は何にもならない。もっとカネと政治の問題が奥に深まるだけです。」
今回の選挙では、岡山から地方創生を、さらに裏金問題などによる政治への不信感を自らの手で払拭したいと意気込みます。
(山下貴司候補<自・前>)
「私は自民党の中で改革派として自民党を根っこから変えて、経営で苦労している、インボイスに苦労している皆さんが、よく改革してくれたと言ってくれるような自民党に変えてみせます。」
この日は1日で、岡山市南区の企業約30カ所を駆け回り、厳しい声を受け止めながら、これまでの実績と突破力を訴え、票の積み上げを図ります。
(山下貴司候補<自・前>)
「自民党と言えば裏金というレッテルをいろんな所で貼られている、それをしっかりと訴えることはこれからもしたい、信頼を回復しなければならない、そのことは私、山下貴司に任せていただきたい。」
自民党政権の「政治とカネ」の問題にもう黙ってはいられないと9月末に急きょ、2回目の国政選挙挑戦を決めたのが、共産党新人の余江雪央さんです。
(余江雪央候補<共・新>)
「自民党の裏金政治、絶対に許すことができないと、この政治をおおもとから変えていくために全力を尽くして頑張っていく。」
余江さんは、自ら非正規で働いてきた経験などから、消費税を5%に引き下げる、大学の学費を半額にするなど、国民の暮らしを最優先にした政策を掲げています
(余江雪央候補<共・新>)
「若い人たちが希望を持って生きられる、そんな社会を作りたい、そのためにこれまで活動してきました。私は中小企業への支援と一体に、最低賃金を時給1500円以上に引き上げていくことを求めて参ります。」
(余江雪央候補<共・新>)
「裏金政治、何とかしてほしいという声に応えていきたいという思いは人一倍強いと自負していますので、そこが届けば広がるのではないか。」
余江さんが約4年前から続けているのが、市民と対話形式で行うアンケートです。この日、話を聞いたのは、学費が高く大学進学を諦めて就職したという女性でした。
(余江雪央候補<共・新>)
「数が少なくても納得してくれる人が1人でもいれば広げてもらえるかな、その可能性がある。」
(津村啓介候補<立・元>)
「今こそ改革のブレーキとなってきた裏金問題、政策をゆがめてきた(旧)統一教会と自民党の深い癒着を終わらせる。私はその挑戦者です。」
立憲民主党の津村啓介さんは、前回3年前の選挙で6期務めた議席を失いました。
(地域の人)
「頑張ってな」
(津村啓介候補<立・元>)
「頑張ります。3年ぶりの復帰で。ありがとうございます。」
この3年間に行った地域の訪問活動は3万件。議員時代にはなかなか吸い上げられなかった声も丁寧に聞いてきました。日銀出身の経済のスぺシャリストとして、日本経済の立て直し、東京一極集中の是正を掲げ、再び、その手腕を発揮したいとキャッチコピーにも思いを込めました。
(津村啓介候補<立・元>)
「与党も経験したことがあるが、2大政党、それから日本経済の力強い成長、どちらもまだ成し得ていないので、もう1回初心にかえって頑張っていきたい。そんな思いで挑戦者。」
これまで、政府や相手候補の批判をしてこなかった津村さんですが、裏金問題に対する市民の怒りを受け、今回ばかりは語気も強まります。
(津村啓介候補<立・元>)
「皆さんが怒っている今こそ、しっかりとそのことを指摘をし、皆さんと問題の所在を確かに確認をしながら、今回の選挙、日本を変える世直しの選挙にしなければならない。」
自民党候補と立憲民主党候補の争いに共産党候補が割って入り、激しい選挙戦が繰り広げられている岡山2区。衆議院議員選挙の投票は10月27日です。
23日は、岡山県の面積の約7割を占める岡山3区についてお伝えします。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。