27日投開票の衆院選で23日、今夏の東京都知事選で対決した小池百合子都知事と蓮舫元参院議員がそれぞれ自民党と立憲民主党の候補の応援に入った。夕方には区割り変更により新設された東京30区(府中市、多摩市、稲城市)で2人の”ニアミス”も。選挙戦終盤を迎え、各陣営は知名度のある応援弁士の起用で浮動票の確保に躍起となっている。(原田遼、北浜修、奥野斐)

◆小池氏、自民候補の応援はこの日が初めて

 小池氏は東京20区(東村山市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市)と30区の自民前職の街頭演説に立った。京王線府中駅前で行われた30区の長島昭久氏の街頭演説では、災害対策など都政課題に触れつつ「国、都、市が連携してこそ、命や生活が守られる」と強調。「『長島さんよろしくと、小池さんが言っていたよ』と友人に電話してくれないか」と呼びかけた。長島陣営関係者は「小池さんは浮動票や個別のファンを持っている」と期待した。

23日、自民前職の長島昭久氏の応援演説をする小池百合子東京都知事=東京都府中市の京王線府中駅前

 小池氏が今回の衆院選で公明党候補の応援に入ったことはあったが、自民候補の応援はこの日が初めて。小池氏は報道陣の取材に「都政を行うにあたり、円滑に国と調整をしてくれたり、骨折りしてくれている皆さまを支援する」と説明した。

◆蓮舫氏、都知事選落選後は目立った政治活動はなかったが

 一方、蓮舫氏も18区(武蔵野市、小金井市、西東京市)と30区で立民新人を応援。30区では小池氏の演説の約30分後、約8キロ先の小田急線多摩センター駅前で前都議の五十嵐衣里氏の街頭演説に参加した。  都知事選と同じ白いジャケット姿でマイクを持つと、自民党派閥の裏金問題に触れ、「雑所得ではないか、脱税ではないか。反省しない自民党にルールを守ろうと、みなさん声を上げて。今回だけは自民党はダメだとの思いを共有したい」と自民を批判。「投票すれば政治は変わる。変えるべきだと思うという覚悟と勇気を持って。五十嵐衣里だからできることがある」と投票を呼びかけた。

23日、立民新人の五十嵐衣里氏(左)の応援に入った蓮舫氏(中)=東京都府中市の京王線府中駅前

 蓮舫氏は小池氏の対抗馬と目された都知事選でまさかの3位。知事選後は目立った政治活動はなかったが、21日から精力的に都内の立民候補への街頭演説に参加し、古巣と接点を維持している。  30区ではほかに共産党新人の早川寛氏、みんなでつくる党新人の三井健氏、参政党新人の武田祐一郎氏が立候補している。 ◆東京30区 立候補者(届け出順)
早川  寛 44 共産  新
五十嵐衣里 40 立民  新
三井  健 61 みんな 新
武田祐一郎 38 参政  新
長島 昭久 62 自民  前⑦ 

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