10月27日に迫った衆議院選挙について、福島県の各選挙区の構図を伝える。今回は県内の約半分にあたる広大な面積を持つ「福島3区」。
自民党のいわゆる「裏金問題」の処遇をめぐり、公示日直前に構図が固まる異例の選挙戦。会津と県南、異なる地盤でどれだけ支持を拡げられるかが注目される。
<立憲民主党の前職・小熊慎司さん>
「”信無くば立たず”政治の信頼がなければ、いかに政治家が政策を語っても、そして、有権者の皆さんと向き合うと言っても、そこに信頼がなければ、何の政策論争にもなりません」
立憲民主党の前職・小熊慎司さん(56)は、地盤の会津若松市で選挙戦をスタート。自民党のいわゆる「裏金問題」を糾弾し、政治の信頼回復を前面に押し出す。
前回2021年の選挙を、わずか2899票差で制した小熊さん。
衆議院5期目を目指し、僅差での勝利を支えた出身地・喜多方市で精力的に有権者と交流する。
そして選挙戦中盤。選挙カーを走らせ向かうのは、有権者の約3割を占める白河市などの県南エリア。小熊さんにとって未知数のこの場所で、どのように支持を拡げるかが勝敗を左右する。
白河市にも選挙事務所を構え、「だるま」もこれまでの会津のものから白河だるまに変更。「日本の縮図」と語る広大な選挙区で、さまざまな課題に取り組む姿勢をアピールする。
「急遽の解散でしたけれども、これを受けて立つという思いで始めさせていただきましたが、人口減少、物価高の克服や外交安全保障の課題、年金医療、教育などを含め、本当に地域の抱えてる解決しなきゃいけない課題が山積しているので」
<共産党の新人・唐橋則男さん>
「裏金はどのように使われ、どういういきさつでなったのかっていうのは、まだ解明されておりません。皆さんの力で、今の腐りきっている自民党政治を変えていくことを皆さんと一緒にやっていく。この12日間、全力で頑張っていきたいと思います」
共産党の新人・唐橋則男さん(63)。第一声では有権者に対し裏金問題を解明し自民党の政治を根本から変えていきたいと訴えた。
この日は、白河市で街頭演説。午前中の予定を終えて選挙事務所に戻ると、食事休憩で思わず…
スタッフ:範囲が広すぎるよね…
唐橋さん:だって一回行くだけで200キロとかになるからな。会津全部回るのだけでも大変なのにな
選挙戦の初日は会津エリア、二日目は県南エリアを周るが、その広さに悪戦苦闘。しかし、有権者一人ひとりと向き合うなかで、手ごたえも感じている。
限られた選挙日程で、食糧自給率の向上や暮らし優先の経済を掲げ選挙を戦う。
「周りの方に、やっぱり政治を変えるということを頑張ってもらって、大きく力をつけていくということが必要だと思うし。そういう訴えを隅々まで広げていくっていうことが必要だと思ってます。その先頭に、私が立ちたいというふうに思っているところです」
<無所属の前職・上杉謙太郎さん>
そして、2人の候補者と同じく会津若松市で第一声を上げたのが、無所属の前職・上杉謙太郎さん(49)。
「厳しい選挙でありますが、しっかりと皆さまに、会津そして県南に必要な議員は、新しいこの会津・県南をつくるのは、上杉謙太郎だと思っていただけるようにしっかりと頑張ってまいりますので」
自民党のジャンパーを羽織っているが、党の公認は得られず。自民党福島県連が全面的にバックアップしての選挙戦となる。
当初は、比例単独での立候補を目指してきたが、裏金問題をめぐり309万円の不記載で断念。
しかし、3区から無所属で立候補を予定していた前職・菅家一郎さんの突然の撤回で、公示日の2日前に急遽立候補が決まった。
公示から2日後の17日。選挙スタッフが行っていたのは、選挙ポスターの掲示。立候補の表明が遅れたことで、選挙戦初日に間に合わない異例の事態となった。
上杉さんにとって今回の選挙は、自身が10年間耕してきた県南エリアの地盤を守る戦い。一方で、新たに耕すことになるのは選挙区の大半を占める会津エリア。
スタートが出遅れたなかでの難しい選挙戦だが、農家の所得向上など農業支援を柱に有権者に粘り強く政策を訴える。
「県南もそうですし、会津もそうですけれども。米を初めとした農業で、また林業で畜産業、それが地元の根幹となる産業でありますので、そこをしっかりするっていうのは、私たち県南・会津の暮らしを良くしていくための、もう一丁目一番地だというふうに思っております」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。