◆首相は政権継続に意欲「政策の実現に向けて最大限努力」
自民党本部の開票センターで当確者の名前にバラを付ける総裁の石破首相(中央左)と菅義偉副総裁(同右)=27日、東京・永田町で(七森祐也撮影)
自民は公示前の256議席から大幅に減らすことで、石破茂首相(党総裁)ら執行部の責任論が党内で浮上する可能性がある。単独過半数を割れば、政権交代を許した2009年の衆院選以来15年ぶりとなる。 石破茂首相は27日夜、民放番組で「大変厳しい状況だと認識している。政治とカネの問題について全く理解をいただけなかったことが一番大きかった」と述べた。別の番組では、進退に関し「これから先、われわれが掲げた政策の実現に向けて最大限努力していかないといけない」と政権継続に意欲を示した。◆裏金問題、対応に甘さ
今回の衆院選は、裏金事件に対する自民の政治改革や、政治資金収支報告書への不記載があった裏金議員への対応が大きな焦点となった。裏金議員のうち46人が立候補。このうち非公認としたのは12人だけで、対応の甘さが指摘された。 さらに、非公認とした前議員が代表を務める政党支部に対し、党本部が2000万円の活動費を支給したことが判明し、野党が「裏公認」と厳しく批判したことも響いた。 非公認となった前議員のうち、福井2区の高木毅元復興相らが落選した。 小選挙区で現職閣僚の敗北も相次いだ。埼玉5区で牧原秀樹法相、鹿児島3区で小里泰弘農相が敗れた。◆「共犯」公明は小選挙区で敗れる 野党、候補乱立でも勢い
公明は候補者を擁立した11小選挙区で全勝を目指したが、大阪3区で議席を失った。自民で非公認となった2人を含めて大半の裏金議員を推薦し、野党から「共犯」との批判を受けた。報道各社のインタビューに答える立憲民主党の野田佳彦代表=27日、東京・永田町の党本部で(布藤哲矢撮影)
立民は東京6区や京都3区で勝利して議席を積み上げ、公示前の98議席を大幅に上回る勢い。主要野党の候補一本化を進められずに多くの選挙区で他の野党と票を奪い合ったが、政権与党への批判票の受け皿となった。 野田佳彦代表は27日夜のTBS番組で、議席増について「裏金問題に厳しい批判があった。政治改革のため、どの党が良いかという観点で立民に支持が集まった」と述べた。 日本維新の会は地盤とする大阪を中心に議席を確保した。共産党は比例代表で議席を積み上げている。国民民主党やれいわ新選組は公示前から大幅に増やした。社民党は1議席を確保。日本保守党は愛知1区で議席を得た。 衆院選は小選挙区と比例代表を合わせて1344人が立候補。計465議席(小選挙区289、比例代表176)を争った。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。