国家公務員の出張時に支払われる宿泊費が来年4月から実費支給に変更されるのを前に、財務省がまとめた都道府県別の上限額案が30日、明らかになった。例えば課長級の職員が東京都区部や大阪市などに出張する場合、現在は1泊当たり1万3100円の定額を渡す方式だが、来年4月からは東京都は1万9000円、大阪府は1万3000円を上限に実費が支給される。
現行の国内出張時の宿泊費は、東京都区部や大阪市などを「甲地方」、それ以外を「乙地方」に分けた上で、「首相」「指定職」「(職務の級が)7級以上」といった6区分の職階に応じ、あらかじめ定めた額を渡す方式だ。
これに対し、来年4月からは、職階を「首相や閣僚」「指定職」「10級以下(課長級以下)」の3区分に集約。その上で、民間企業の社員らが出張で利用するホテルの実勢価格のデータを基に、都道府県別に12段階の上限額を設定する。
具体的には、課長級以下の上限額は8000~1万9000円で、最も高い1万9000円は埼玉、東京、京都の3都府県への出張時に適用する。最も低い8000円は福島、鳥取、山口の3県。指定職は1万1000~2万7000円、首相や閣僚は1万7000~4万円を支給する。上限額は省令案で規定し、実勢価格に変化があれば適宜見直す。
一方、海外出張に関しても、国や都市別に上限額を設定する。最高額は米・ボストンで、課長級以下の場合、1泊当たり5万9000円。次いで米・ニューヨークが5万7000円、米・ワシントンが5万4000円などとなる。
同省はパブリックコメント(意見公募)を経た上で、年内に決定する方針。一部の自治体は国の旅費制度を参考にしており、地方公務員にも影響を与える可能性がある。
財務省=東京都千代田区
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