自民・公明・国民民主3党の政調会長らは20日午後2時半ごろから国会内で会談し、政府の総合経済対策について合意しました。

焦点の「103万円の壁」に関しては、「来年度税制改正の中で議論し引き上げる」との文言が盛り込まれました。

フジテレビ政治部・高田圭太デスクとくわしく見ていきます。

青井実キャスター:
ーー暮らしに関わるお金の話ですが、大きく動いたという話ですね?

フジテレビ政治部・高田圭太デスク:
大きくやるということ、引き上げることが決まったのは前進ですが、ただ金額が肝心なので、ここからと思った方がいいと思います。

壁が約30年ぶりに見直されて、いつ・いくらまで引き上げられるのか気になるところです。

経済対策に明記された内容は「いわゆる103万円の壁については、令和7年度(2025年度)税制改正の中で議論し引き上げる」と書き込まれました。

青井実キャスター:
この文言ですよ。令和7年度の税制改正は来月中旬に結論がまとまるわけですが、今回は議論するのを決めた議論だったのか、それとも引き上げを決めた議論だったのか、そのあたりどっちともとれるのかな…と思いますけど。

フジテレビ政治部・高田圭太デスク:
普通に考えて、税制改正の中で引き上げるでもいいんだけれども、議論が入ったことで、ちょっと政府・与党のためらいみたいなものがあったかもしれませんが、ただ、世論が引き上げということになっているので、これは素直に読んでいいかなと。
ためらい傷ぐらいに見ておけばいいのかなと思います。

青井実キャスター:
ーーただ今後、仮に議論がトントン拍子に進んだとしても、いつ変わるのかなと、時期は。

フジテレビ政治部・高田圭太デスク:
それは今回、年末の税制改正で決めた場合、税はだいたい1月から変わることが通例なので、そうすると、再来年の1月が1つの目安にはなります。

どこまで引き上げられるのかというところが気になるわけですが、モデルケースで見ていきます。

従業員50人以下の企業でパートとして働く人の「年収の壁」のイメージです。

まず、何度も話題になっている「103万円の壁」で所得税が発生します。
その次、「106万円の壁」もありますが、従業員50人以下のため、今回は該当しません。
次に立ちふさがる壁が「130万円の壁」。ここですべての人が社会保険料を納めなくてはならなくなるということで、いわゆる“働き損”が出てきます。
その次の「150万円の壁」は、「配偶者特別控除」が縮小して、世帯の手取りに影響してくる。こういった壁があるわけです。

今回、所得税が発生する「103万円の壁」の引き上げ幅に関しては明記されなかったということです。

青井実キャスター:
ーーどこまで引き上げられるんですかという話ですが、皆さん働き方も変わってきますよ、それによって。178万円という話がありましたけれども、このマックスの引き上げまでは、どう見たらいいですか?

フジテレビ政治部・高田圭太デスク:
玉木さんとしては譲れないと言っているんですが、この議論の当初には「1mmも譲れないというわけではない」という言い方もしていて。
今は譲れないんですけど、最後は多少の妥協はせざるを得なくなると思います。
ただ、やはり安易な妥協をしたら国民の期待を裏切ることになりますから、いかに少しでも壁を引き上げるかというところだと思います。

青井実キャスター:
ーー実際のところ、どこで落ち着くとか見立ては?

フジテレビ政治部・高田圭太デスク:
その間なわけですが、まず「103万円の壁」。この場合パートですけれども、学生とかについては、親の扶養に入る・入らないというところで崖がありますので、そこを少しでも上げてほしいというのがありますよね。
ほか、今回178万円というのは、あくまで最低賃金の伸び、大きく伸びていますので、それに合わせたものですけれども、ほかに政府・与党内でも、「消費者物価指数でいいじゃないか」、「パートの賃金だと、このへんじゃないか」、または「食料品の値上げだと最近上がっているから、もうちょっとこのへんじゃないか」と、いろんな数字があるので、そこがどうなるかはこれから激しい議論になると思います。

青井実キャスター:
ーーあと不公平感ですか。要するに、高年収な人ほど優遇されているんじゃないかという課題もあるんですが、このあたりまとまるんですか?

フジテレビ政治部・高田圭太デスク:
大きく今回引き上げた場合は、高年収の人の方が少しお得になってしまうので、そこは事実上の控除を縮小するなり、何らかの措置がとられると思うのと、やはり「130万円の壁」のところを超えて引き上げようとすると、じゃあ、この壁はこのままでいいのかという話があるので、ここはもしかしたら2段階ということも考えられうるかもしれませんし、ここを超えていくかというのは1つ注目のところです。

青井実キャスター:
ーーもう1つ、玉木さんはずっと178万円を目指して手取りを増やすといっていますが玉木さんは(少し低いところで)納得するんですか?

フジテレビ政治部・高田圭太デスク:
そこは実現するということが一番大事なので、有権者の判断も見ながら、このぐらいまでなら妥協しても許してもらえますかってところは、空気を測りながらの交渉になるとは思います。

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