24日投開票の鹿児島市長選挙について、取材を担当している野平記者とお伝えします。
鹿児島市政担当・野平美奈子記者
今回の市長選は新人の桂田美智子さん71歳と、2期目を目指す現職の下鶴隆央さん44歳の2人が立候補していて、一騎打ちの選挙戦となっています。
桂田さんは市民目線の「あったか市政」を掲げ、お金ではなく市民の声で動く市長を目指すとしています。
下鶴さんはICTや子育て支援といった1期目の実績と共に「若い世代・子育て世代に選ばれるまちの実現」を訴えています。
Q.10月、衆院選が行われてからあまり間を置かずに今回の市長選となりましたが、両陣営はどのように訴えの浸透を図っているのでしょうか?
野平記者
告示日を迎えるまで両陣営共に選挙に向けた大きな動きはなく、そういう意味では静かに始まった選挙戦、といった印象です。
告示以降、知名度不足を課題に挙げる桂田さんは、とにかく各地をまわり街頭演説を重視して自身の訴えをアピール。多いときには1日15回近くの街頭演説を行っています。
無所属・新 桂田美智子候補
「いまの鹿児島市政の問題点をなかなか皆さんご存じではない。それを多くの皆さんに知ってもらって判断を仰ぐ。のどあめをなめ、栄養ドリンクを飲み、やっている」
一方、下鶴さんは「市内全域をくまなく周る」と話していて、その言葉通り、住宅街の路地にも選挙カーを走らせ、自ら会いに行くスタイルを貫いています。
無所属・現 下鶴隆央候補
「市民の皆さんの暮らしや街の様子をしっかりと見る、こちらから皆様の元に行く、という選挙をこれからも貫いていく」
Q.「静かに始まった」ということですが、そうなると懸念されるのが「投票率」ですね?
直近の鹿児島市長選の投票率をまとめたものを見てみましょう。
下降と上昇を繰り返していて前々回の2016年が25.00%で過去最低、このときは実に鹿児島市民の有権者の4人に1人しか投票に行かなかったことになりますね。
野平記者
投票率が20%台に低迷した2016年と2008年は、ともに現職と新人による一騎打ちの選挙戦でした。
今回もその構図は共通しているので、投票率の低下は同様に不安視されるところです。
Q.そんな中、選挙管理委員会は高校や大学でも期日前投票を行うなどして特に若い世代の投票率向上を図っていますよね。
野平記者
はい、やはり投票率は特に若い世代で低いというデータもあり、選管などが特に力を入れて取り組んでいます。
そこで今回の選挙をきっかけにこんなことを聞いてみました。
22日、1日限定の期日前投票所が設置された鹿児島玉龍高校。
今回が初めての選挙だという生徒も含めて、78人が一票を投じました。
彼らに聞いたのは、いま住んでいて感じる“困りごと”です。
投票した高校生
「通学で公共交通機関を使うが、減便で学校に行くときに不便だと思う」
「スポーツを観るのが好きなので鹿児島のスポーツ、バスケやサッカーもあるので盛り上がれたらいい街になるんじゃないか」
また、19日に鹿児島大学で行われた期日前投票でも同様に聞いてみました。
投票した大学生(22)
「大隅の出身でいつも鴨池港に行くが、市電を与次郎方面にも伸ばしてくれたら」
投票した大学生(20)
「音楽を専攻していて、音楽があふれているといいなと思うので、コンサート会場や音楽を提供できる場所がもっと鹿児島に増えたらいい」
「政治」というと、自分たちからは遠い世界の出来事のように思うかもしれませんが、こういった「身近な困りごと」こそ、政治の原点とも言えるものです。
野平記者
誰に一票を託せば「困りごと」を解決できるのか。世代や性別、環境によって「困りごと」も違ってくると思うので、有権者それぞれが考えて一票を投じることが、自分たちの暮らしをよりよくするためにも大事なことだと思います。
ここまで鹿児島市長選挙について野平記者とお伝えしました。
鹿児島市長選挙は24日投票が行われ即日開票されます。
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