自民党の岸田文雄前首相は22日、自らの政権で打ち出した「資産運用立国」を推進する議員連盟を立ち上げた。個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)の拠出限度額を引き上げるなど年末の税制改正に向け緊急提言を出す方針を決めた。
議連は国会内で初会合を開き、木原誠二選挙対策委員長ら党所属議員30人ほどが参加した。岸田氏が会長に就き、茂木敏充前幹事長が会長代行を務める。
岸田氏は冒頭、新たな少額投資非課税制度(NISA)の成果などに触れ「資産運用立国への取り組みを継続するという強い意志を世界に示していかなければならない」と語った。
緊急提言は企業に勤める人がイデコと企業型確定拠出年金(DC)を併用した場合に合計の拠出限度額を月5万5000円から月10万円に引き上げる改革などを盛り込む。新NISAの利便性向上や金融庁に資産運用立国を推進する課を新設する体制整備も求める。
議連は月1回ペースで会合を開き、2025年4月ごろに改めて提言をまとめる。スタートアップ向けの「インパクト投資」や機関投資家の運用高度化などを促す政策を議論する。
資産運用立国は家計の金融資産の半分超を占める1100兆円の預貯金を投資に回し、所得増につなげるものだ。政府は23年末に実現に向けたプランを策定した。
岸田政権の3年間で日経平均株価は28%上昇し、7月には史上最高値の4万2000円台を記録した。資産運用立国はレガシー(政治的遺産)という位置づけになる。
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