自民党本部=東京都千代田区で、平田明浩撮影

 石破茂内閣の不支持率が発足2カ月足らずで50%に――。23、24日実施の毎日新聞世論調査でこうした結果が示されると、自民党内からは来夏の参院選への不安の声が上がった。

 「こんな数字じゃ、参院選は戦えない」。自民若手は25日、こう嘆息した。

 内閣支持率は10月の前回調査から15ポイント下落の31%に。一方、不支持率は前回から13ポイント上昇の50%で、支持率と逆転した。調査手法が異なるため単純比較はできないが、支持率が内閣発足の翌月までに不支持率を下回るのは2008年発足の麻生太郎内閣以来だ。

 支持率低迷の背景に「政治とカネ」があるとの見方は与野党で共通しているが、自民内では「首相の外遊中の振る舞い」が追い打ちをかけたとの見方が多い。首相は今月中旬、ペルーで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席した際、自席に座ったまま複数の外国首脳と握手する映像がネット交流サービス(SNS)で拡散され、物議を醸した。

 自民中堅は「自民支持を支えているのは『最後は外交安保できちんとやれる』という点だった。それがああいうふうに取り上げられて、なかなか厳しかった」と語った。自民幹部は28日召集の臨時国会で与野党の論戦が本格化することを念頭に「野党は支持率が下がるように仕掛けてくるだろう。支持率アップは厳しい」との見方を示した。

 一方、政党支持率を前回の3%から4倍の13%に急伸させた国民民主党の関係者は、同党の看板政策「年収103万円の壁」の引き上げが与党との交渉で実現する見通しになったことが要因だとの見方を示し、「これはすごい。この数字をいかに来年の参院選まで持続させるかだ」と語った。【森口沙織、小田中大、遠藤修平】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。