12月1日投開票の日本維新の会の代表選。知名度の高い吉村洋文・大阪府知事(49)を軸に4人が立候補しているが、10月の衆院選の「野党独り負け」とされた状況を受け、党の存在意義が問われている。維新が主導してきた大阪・関西万博への視線も厳しい。改革に期待した人々の熱は、どこへ行ったのか。首都圏の論戦をのぞいた。(西田直晃、山田祐一郎)

◆「次世代のための政党」強調するが

日本維新の会の代表選で街頭演説を行った(左から)金村龍那衆院議員、松沢成文参院議員、空本誠喜衆院議員、吉村洋文大阪府知事=23日、東京都新宿区で

 「日本維新の会ってどういう政党なの? なんか自民党と一緒にやってるみたいだね。ちょっとよく分かんないね。そう思われている方が多いでしょう」  23日夕、JR新宿駅近くの街頭演説会場。登壇した吉村氏はこう切り出し、「存在意義のない政党はいらない」「存在意義をもう一度確認する」と繰り返した。危機感を強調し、持続可能な社会保障や高等教育無償化を実現する「次世代のための政党」を掲げた。

◆候補自ら「維新にはビジョンがない」

 10月の衆院選で公示前から5減の38議席となり、退任を決めた馬場伸幸代表の後任を選ぶ選挙。維新は、比例代表の得票も21年衆院選から300万票近く減らし、510万票にとどまった。立憲民主党を上回る野党トップの支持率はもはや過去の話。今月16、17日の共同通信の世論調査は、れいわ新選組を下回る野党で4番目に沈んだ。  他の候補も、低調な党勢に切迫感を隠さない。医療制度改革を訴えた金村龍那副幹事長(45)=衆院比例南関東=は「このままでは党が消滅してしまう」。農政の重要性に触れた空本誠喜衆院議員(60)=広島4区=は「全国政党として羽ばたくには、地方の政策もしっかり掲げなければならない」と指摘した。松沢成文参院議員(66)=神奈川選挙区=に至っては、出馬理由を「停滞する維新に活を入れる」ためとし「維新には国家のビジョンがない」と言い放った。

◆リーフレット「サクラで持ってて」

日本維新の会の代表選で街頭演説をする空本誠喜衆院議員

 「省庁の無駄遣い削減」(金村氏)「婚活の支援」(空本氏)「皇居の関西移転」(松沢氏)と熱を帯びる各候補の主張とは裏腹に、吉村氏以外の候補者への聴衆の反応は、やや冷ややかだった。...

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