経済安全保障上の機密を扱う人を認定するセキュリティー・クリアランス(適格性評価)制度を創設するための法案が9日、参院内閣委員会で与党などの賛成多数で可決された。10日の参院本会議で可決・成立する見通しだ。

岸田文雄首相は9日の参院内閣委で、法案の意義について「企業の国際的な活躍の機会が拡大し、産業競争力の強化につながる」と説明した。

これまで資格制度がないために海外企業と機密を含む技術の共同開発や公共調達に入札できない事例があった。経済界から導入を求める声が出ていた。

法案は漏れると日本の安保に支障が出る政府保有の機微情報を「重要経済安保情報」に指定し、漏洩には最大で5年以下の拘禁刑などの罰則を科す。経済活動の基盤となるインフラやサイバー、人工知能(AI)などに関する情報を保護対象として想定する。

政府は対象者を身辺調査したうえで資格を付与する。その際に対象者のスパイ活動との関連性、犯罪や薬物の使用歴、配偶者の国籍などを調べる。

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