自民党のプロジェクトチーム(PT)は13日、顧客による迷惑行為である「カスタマーハラスメント(カスハラ)」から従業員を守る対策を企業に義務付ける提言案を大筋でまとめた。党の手続きを経て、6月にも政府が公表する骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)に盛り込み、法整備を促す。
提言を大筋でまとめたのは党雇用問題調査会カスタマーハラスメント対策PTで、社会問題となっているカスハラに対応した。
小売業などの産業別労働組合「UAゼンセン」が今年、3万人超を対象に実施したアンケート調査では、47%が「直近2年以内でカスハラ被害にあった」と回答。提言案では企業による相談対応や雇用管理を企業に義務付ける法整備を求めた。
一方、企業側としては「消費者の正当なクレームとの線引きが難しい」との声もあり、提言案では業種別のカスハラの定義の明確化や、消費者教育の強化も求めた。
ハラスメント対策を巡っては、2019年に労働施策総合推進法が改正され、企業によるパワーハラスメント対応を義務化。パワハラへの方針を明示し、相談窓口の整備や対応を行うべきだとした。カスハラについても同様の体制整備が想定されており、今後、厚生労働省は法整備に向けて本格的に検討を進める方針。【奥山はるな】
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